あらゆるスキマ時間で集中学習! 無駄ゼロ独学術

「資格試験に落ちる人」に共通する、ノートの取り方

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ノートではなく、テキストを育てる

効率的な教材の管理方法は、「テキストを育てる」ことにあります。
具体的に説明すると、やるべきなのはテキストの重要な部分と重要でない部分を分け、読みやすいようにすることです。
合格しようと思えば、テキストは何度も何度も読むことになります。
当然、薄いほうが効率的です。
問題集や過去問を繰り返すうちに、出題頻度が高い論点と、そうでない論点がわかるようになります。

たとえば、公認会計士試験の試験範囲には、経理作業を行うにあたって必要な帳簿を作成する手続きなどをまとめた「帳簿組織」という論点があります。
この部分について、近年の出題は少ないようで、今後の重要性も高くないでしょう。
現代の経理実務は、パソコンで行うことが当たり前であり、手書きの帳簿を作っている会社は少ないです。
とくに、新規開業する人が、手書きで経理作業をしたいとはほぼ思わないでしょう。
試験で問うことの意味も薄いと判断できます。
とはいえ、テキストには帳簿組織についてもある程度の記述があるので、同じ時間を使っていれば、時間の浪費になる可能性が高いです。
出題可能性の低い部分については、かける時間を短くしていくべきです。

一方で、過去問を解いていると、毎年のように出ている論点があることに気づきます。
そのような論点を見つけたら、該当部分に線を引くなど、わかりやすいようにして、次回読んだ際に重要なことがわかるようにしましょう。
未来の自分にメッセージを残すようなイメージです。
一周して、もう一度戻ったときに、「ここは頻出だ」と気づければ、丁寧に読むようになり、理解が深まります。

育て方は「線を引くだけ」

私の例で説明すると、テキストの一周目は、黒いボールペンを持ち、重要そうな部分に線を引くことに集中します。
内容の理解は二の次で、覚えるべきポイントを目立つようにすることが目的です。
二周目、三周目と、次第に線が増えていき、逆に真っ白な部分が残ります。
三周ぐらいを終えると、重要な部分にマークがされるようになり、次回から注意すべき点が明らかになります。
問題集も同じように、解答・解説部分で覚えるべきところが目立つようにするとよいでしょう。

勉強に限らず、何かに取り組むときは、目的から逆算して方法を考えるべきです。
プロセスを終えたときに得るものが大きくなるよう、効率を最大化する意識を常に持ちましょう。

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プロフィール

石動龍
石動龍

青森県八戸市在住。公認会計士、税理士、司法書士、行政書士。読売新聞社記者などを経て、働きながら独学で司法書士試験、公認会計士試験に合格。石動総合会計法務事務所代表。ドラゴンラーメン(八戸市)元店長、ワイン専門店vin+共同オーナー、十和田子ども食堂ボランティアとしても活動している。趣味はブラジリアン柔術(黒帯)と煮干しラーメンの研究。

著書

意志の力に頼らないすごい独学術

意志の力に頼らないすごい独学術

石動龍 /
キャリアアップ、資格試験、公務員試験、TOEIC、リスキリングなどにおいて、予備...
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