外では自宅以上に短時間で集中することが求められます。そのためのコツは、ボーッとする時間をなるべく作らないように、目先をすぐに変えることです。
同じ科目を長い時間繰り返していると、どうしても飽きてしまいます。そこで、15分や20分で科目を区切り、何周もするサイクルをつくって取り組むほうが、集中しやすいです。スポーツでいうサーキットトレーニングに近いイメージで、だらだら取り組むことは避けましょう。
限られた時間で密度を高めるには、すぐに勉強のスイッチを入れることが大切です。どの席にしようか考えたり、勉強前にお茶を飲んだりすることで、時間はどんどん浪費されます。そのため、外勉のルールとルーティンをあらかじめ決めておきましょう。
席は毎回同じ場所にし、座ったらすぐにテキストと問題集を取り出しましょう。取り組む科目、使うテキストも、毎回同じ順番にすることが理想的です。事前に何に時間を割くかを決めていないと、スケジュールを考えることに時間を使うことになります。
独学受験生は専業受験生より時間的に不利なケースが多いので、余計なことに時間を使わずに済むよう、ルーティンを決めておくと楽ができます。スティーブ・ジョブズが毎日同じデザインの服を着ていたのは有名です。これは、服を選ぶという意思決定を減らすことが、理由の一つだったと言われています。同じように、勉強の機会ごとに場所を決めたり、科目の順番を決めたりすると、ムダなエネルギーを使ってしまうことになります。なるべく同じ場所、同じ順番、同じ時間を繰り返すようにしましょう。
外勉は家勉に比べてメリットもあります。疲れたときは、外勉ならではの気分転換ができます。
たとえば、図書館であれば、蔵書をぱらぱらと読んで頭をリフレッシュできます。
私がよく行っていた図書館には、漫画コーナーがあり、手塚治虫全集がラインナップされていました。私は1時間に5分ほど休憩するサイクルで勉強し、休んでいる間に全集を少しずつ読んでいました。漫画の内容に熱中している間は試験のことが気にならなくなり、読み終わったあとは新しい気持ちで勉強に戻ることができます。
スマートフォンと違い、漫画や書籍は区切りがあるので、ずるずると使い続けて時間を浪費することにもなりにくいです。
カフェであれば、外を散歩することもできます。休日に勉強していると、どうしても気持ちが落ちこむ瞬間があります。
受験勉強の日々は苦しいものなので、疲れたら緑を見て生き物の声に耳を傾け、ストレスをためすぎないように気をつけましょう。
なお、自宅派の人も、外勉に取り組むべきタイミングがあります。
模試の直後です。
問題を解いたあとにすぐ復習することで、悩んだ部分や、理解していない部分を、正確に洗い出すことができます。終わった直後が望ましいので、模試から帰宅する途中に、カフェや図書館でスペースを確保するとよいでしょう。わからなかった問題について、記憶が鮮明なうちに正解までのプロセスを参照できれば、深く理解できる可能性が高いです。
時間がたってから復習すると、何がわからなかったのか記憶があいまいになり、弱点を埋めることができません。自宅に戻ってから復習してもよいと思いますが、模試を受けた日は疲れがたまるため、ついついサボりたくなってしまいます。
帰宅前の復習をルールとして設定しておけば、効率よく知識を血肉にすることができるでしょう。
家勉と外勉を状況に応じて使い分けることで、集中力を保って、勉強を効率化できます。自分なりのルールを確立することが、合格への道筋を作ることにもなるはずです。