これらの経験を経て、落ち込んだ時に立ち直る方法について考えてみましょう。
まず大切なのは、ネガティブな感情をコントロールすることです。努力の大きさに応じて、失敗のショックは自分の心を襲います。資格試験でも仕事でも、懸命に考えて努力した結果が望まないものであった場合、過去の自分を責める気持ちが自然に沸き上がるはずです。失敗を適切に評価し、同じミスを繰り返さないように対策を考えることは大切ですが、必要以上に自分を責めても得るものはありません。失敗した事実を責めるのではなく、ミスをした原因を分析することを心がけましょう。
そして、前向きになるためには、希望を持つことが必要です。
勉強を開始した当初は、私のように目的があったはずです。
机に向かう苦しい日々を続けていると、いつの間にか「合格しなければならない」という思いにとらわれて、合格を義務に感じてしまう人もいるかもしれません。
ですが、資格を取得することはあくまでも人生を変える手段の一つにすぎません。
人によっては、資格は人生の選択肢を増やすことになり、人生の満足度を上げることにつながります。私も合格前と合格後では、人生が良い方向に大きく変わったと感じています。つまり、勉強は義務ではなく、人生を充実するための過程です。そう考えると、不合格も合格までのステップに過ぎないので、勉強を開始するときに抱いていた希望をもう一度思い出しましょう。
また、立ち直るために、時には家族や友人に助けを求めることも必要です。
つらく大きい失敗をしたときは、前向きになろうとしても心からその事実が離れず、常に自分を責めてしまいがちです。その時間が続くと苦しさが増幅していくので、失敗から意識的に離れることが心を休めることになります。もし、苦しさを分かち合える家族や友人がいるならば、感じているつらさを話すだけで、心が軽くなるはずです。
一時的に勉強を休み、趣味に集中する時間を作るのもよいでしょう。私の場合は、格闘技の練習をすることが何よりのストレス解消でした。自分と互角の相手と練習すると、余計なことを考える余裕がなくなり、目の前の戦いに集中できます。少なくともその間は、失敗したことを完全に忘れることができるので、心の負担が減ります。これを繰り返していくと、次第につらさを感じる時間が減っていくでしょう。
このような過程を経て、不合格の事実を客観的に評価できるようになったら、失敗した事実を受け入れましょう。資格試験は運の要素もあることは否定できませんが、不合格の原因は、その時点で実力が足りなかったことがほとんどです。重要なのは、あくまでも力不足だったのは、試験を受けた時点だということです。次のチャンスまでに足りない部分を埋めれば、合格することができます。
この部分の理解を間違えると、「頭が悪いのでどれだけ頑張っても合格できない」とか「どうせ次回も落ちる」など、事実に基づかない自己評価を行ってしまう可能性があります。努力を再開するのは前向きな気持ちが不可欠ですから、「失敗は成功のプロセス」と割り切って、なるべく早めに勉強を再開するべきです。
前向きな気持ちになり、勉強を再開できたら、失敗の原因を分析し、次回までに解決すべき課題を設定しましょう。自分の強みと弱みを再認識し、不合格につながる致命的な課題を克服できれば、次回のチャンスで合格する可能性は大きく高まります。苦しい失敗を徐々に受入れ、諦めずに効率的に勉強を続けましょう。
私も数々の失敗を経験しました。
挫折した当初は大きなショックを受けたものの、時が経つと胸の痛みはなくなり、記憶も薄れます。思い出すことはほとんどありません。
逆に、合格せずに挫折したまま諦めてしまったら、「もっと努力すればよかった」などと後悔する気持ちは消えず、トゲのような痛みが一生続いたかもしれません。
失敗に向き合うのは誰でも苦しいものです。
しかし、痛みを放置して諦めるより、前を向いて努力するほうが、人生にとって有益です。挫折したときは、痛みを和らげながら失敗を受入れ、もう一度立ち上がりましょう。
落ち込んだ時に立ち直る方法
・失敗を過大評価せずに、冷静に向き合う
・痛みを和らげながら失敗を受入れ、もう一度立ち上がる