ふわポコ太郎

　特異な才能を持つ雛子翼は、グレテン王国の姫ディアナに夢中。 　服装すら彼女の趣味に合わせる程に完全依存。 　そんな彼の穏やかな日々は、正統な王族を主張する存在によって壊される。 　不老不死兼不死身でも……未開のソラでは役立たず。 　運命と時代に選ばれなかった存在の終わりはいつも突然。

「責任も取らなくていいです。愛情も愛着もいりません。ただ女神《わたし》に優れた子供を産ませてください。えぇ、もっと強い殿方が現れ無い限りは貞淑の化身たるゆえ他人に股を開いたり等しませんよ。それに金も地位も現人神《サタン》の身故コチラで用意できますし……だから愛人たる貴方様に何不自由させませんよ。まぁ代償として下々雌とは一切授かりの儀……いいえ付き合う事も手を握る事も許しません！フフ女神《わたし》の身体を見れば貴方から欲しがります。」 　物語の主人公である進矢を前に、ヒロインが口にしたのはハチャメチャな理屈と倫理観。 　これは神になる前の……厄災前の人間だった彼が麒麟児と呼ばれた日々の物語。 　劇中劇です。 　細かい用語は別の作品で説明済みです。

　弱さを優しさとはきちがえる傲慢さ。 　混血児である空閑天満は、生来の気の弱さか？はたまた養母の調教の成果か？キッスイのイジメられっ子。 　また一人、少年が知る。 　暴力という真実を知ったアッシュ・アスモデウスは歴史に名を刻む。 　真っ黒な過去を否定したところで……真っ白な未来は手に入らない。 　これから始まるは痛快でも娯楽でも無い！強者になりきれなかった復讐鬼のお話。 　固有名詞等は終焉と開闢のモードレッドで説明してあります。 　後々見ていただければ嬉しいです。……叙述トリックがあるので先に見ていただけると助かります。 　全作品共通の世界で時間軸にズレがある劇中劇です。

　グレテンの王子モードレッドは、世界征服をするために作られた存在。 　そんな遺伝子を調整された幼い彼の前に立ちふさがり、己よりも優れた才覚を示すのは後の聖帝。 　後の征服王は自分以上の存在を許せる程、器量に恵まれていなかった。 　本気で絶対に許せなかった。 　人の領域にいる限り、絶対に勝てない愛嬌の化身を前に……モードレッドは一対一の喧嘩を挑む。 　核が破裂してから幾星霜の世界で……雄の闘争は殴り合い。 　劇中劇です。