見早

　貴族学校で注目を集める異色の令嬢、フルーラ・マダーマム。 　狂気の美食家がそろう処刑屋一族の彼女は『殺人女王(マーダークイーン)』と呼ばれつつも、人を食人鬼に豹変させる「魔人病」を治療するため医者を志していた。 　ある夜フルーラは、被検体を入手するために屋敷を脱走。そこで食人鬼を狩る謎の女と、彼女に襲われる上級生ジルに遭遇する。 　ジルが現場にいた理由を知るためフルーラは彼と「恋人契約」を結ぶが、いつの間にか自分が翻弄されるようになり――「食」×「性」の織りなす背徳ラブファンタジー。 ※前作「花嫁シスター×美食家たち」と繋がっていますが、単品でもお楽しみいただけます。

　純文学を愛する大学院生ユヅがブックカフェで出会ったのは、不思議系配信者しいちゃん。「人外の友だち」について話す彼女を《ちょっと変わった子》と思いつつも惹かれていく。 　ある日家へ招待されたユヅはしいちゃんに告白しようと決めていたものの、彼女は「心」ではなく一度限りの「体」の繋がりを求めてきた。動揺するユヅに語りかけてきたのは、押し入れに棲む謎の生物「イマジナリィフレンズ」。驚愕するユヅをよそにしいちゃんは誘惑を仕掛けてきて――。 　SF風味の黒ラブコメです。

　霧の都を恐怖に陥れる食人鬼「グルマン」。その正体を探る僧兵シスター・ロリッサは、貴族のマダーマム家に容疑者が逃げ込む姿を目撃する。神父たちに反対されつつも、ロリッサはマダーマム家で行われる花嫁修業へ潜入することに。花嫁修行を嫌がる令嬢との入れ替りに成功し参加枠を手にするが、マダーマム家は狂気の美食家揃いだった。 　それぞれに「食」と「性」のこだわりをもつ四兄弟に本弄されながらも、仮初の花嫁は食人鬼の正体に迫っていく――。

　化粧の腕前を生かしてスリをしていた少年咲(さく)は、ある日神の持ち物を盗んでしまう。その償いとして神の化粧師になるよう強制されるが、神の化粧とは、神を人間に変えるための変わった儀式だった。 『獣』『異形』『付喪』『鳥』『草木』『魚』の六柱に儀を施すため、戦いに長ける振袖の女神、刹那(せつな)を用心棒に付け、「神の化粧師」となった咲は個性豊かな神々と出会う――。 化粧を通した人と神の愛憎物語×和風色彩バトル

英雄殺しの怪物が、英雄の子を育て始めたようです。

「朝なんて来なければいいのに」 　学校での人間関係に息苦しさを感じる16歳のウミは、大好きなサメの図鑑をお供に眠れない夜を明かしていた。 　ある日授業を抜け出したウミは、旧校舎の保健室が植物園になっていることを発見する。ハーブの香りが染みるベッドで眠りについたウミの夢に、巨大なサメが登場。以来心を癒してくれるサメと夢で会うため旧校舎へ通うようになるが、ウミの前に夢ではない「サメ」が現れ――？ 　心が壊れてしまった少女が「サメ」に救われる夢うつつ物語。

「オレ、ツルツル族の国で『にゅーびじねす』ってのを始めたくて来たんだ」 　仕事中心生活に嫌気がさし、道端で自由に生きることを選択したツルツル族のタケチ。そんな彼の前に、獣人族の狼青年バウが現れた。 　前職でマーケティングをしていたタケチを、バウは新しい商売に誘う。 　タケチが提案した商材は、獣人族の体に生える「もふもふ」のレンタル。超多忙社会に生きるツルツル族の癒しとして、もふもふレンタルは成功するのか――。山あり谷ありのもふもふブラックコメディ！

　婚約者の光(ひかり)が亡くなった後。会社員の寿弥(としや)は、生前の光からもらった花の種を鉢に埋め、成長日記をSNSに投稿し始めた。 　友人たちから寿弥の心の回復を祝うメッセージが送られてくる中、見知らぬ人物から不審なメッセージが届く。最初は無視していた寿弥だが、その内容は無視できないものへと変わっていき――。

羊の骸骨　コロコロ鳴れば 今宵も開店　さぁいらっしゃい 人魔の境界『悪魔の薬種屋』へ――。 魔界と人界に店をもつ悪魔の薬師が、あなたのお悩み解決いたします。