セブン-イレブン店内調理品が増えすぎ店員の負荷が…逆に店側から好評な理由

『おでん』の急失速

 では、なぜセブンは店内調理品に注力しているのか。

「スーパーの出来立て惣菜のクオリティが向上しているなか、ただでさえ割高なコンビニは価格相応の価値を顧客が感じてくれる商品を提供する必要があり、その一つが出来立て感のある食品なのです。セブンの鉄板商品だった『おでん』は例年、秋頃に一品70円セールをやっていますが、セール期間中は最盛期には『おでん』だけで一店舗あたりの一日の売上が5万円にも上りました。それがコロナ禍でぴたっと消え、今は蓋を閉めたかたちで販売していますが、売れ行きは低調です。その『おでん』に代わる店内調理品として、入れたてコーヒーに続くヒット商品を模索しているなかでカレーパン、ドーナツの成功を受け、さらに力を入れているのでしょう」

 スーパー業界関係者はいう。

「あくまで推察ですが、ドーナツとピザ、パンは同じ工場・配送便を使って店舗に届けることができ、かつ店舗側でもフライヤーやオーブンといった設備で複数の商品を調理できるため、設備を有効活用したほうが費用対効果が高まるということもあるのではないでしょうか」

(文=Business Journal編集部、協力=信田洋二/Believe-UP代表取締役)