アメリカのコストコ・ホールセールで、金地金(インゴット)や銀貨に続いてプラチナも販売を開始したことが話題になっている。1オンス(約28.34グラム)のプラチナのインゴットを1090ドル(約16万3000円)で販売しており、オンラインでも購入できるという。コストコは昨年、金や銀貨を発売し、1年たった今年8月頃からプラチナを発売した。日本のコストコでは、どのようなものが販売されているだろうか。
コストコといえば、入荷したままのパレットに乗っている商品を、大型の倉庫に並べて販売することにより、商品管理や陳列にかかる費用や手間を徹底的に抑え、人件費を抑えた分、商品の価格を低減する倉庫店スタイルで人気を博している。小分けもされていない大容量の日用品や食品を購入することで、商品一つ当たりの単価を低く購入できるため、複数人で購入して友人たちとシェアする、というスタイルを取る主婦も多い。会員専用のガソリンスタンドで安くガソリンを入れられることに価値を見いだしている人も多い。
このように、“大量で安い”というイメージが強いコストコだが、高額商品が少なくない。パソコンやテレビ、冷蔵庫、掃除機といった電化製品は数万円から数十万円の商品が揃い、ソファやデスク、シャンデリアといった家具やインテリア商品は、高級ブランドの製品も含め、数十万円から百万円を超えるものまである。さらに、庭先などに設置できる棚(パーゴラ)やアウトドア用テーブルダイニングセット、ピザ窯など数十万円の商品も取り扱う。会員であれば知っている方も多いと思うが、コストコが取り扱うのは食品、日用品のほか、家具、家電、宝飾品まで、多岐にわたる。家庭用の品だけではなくオフィス用品も備えており、レジスターなどの決済端末もある。
アメリカのコストコで、昨年から金インゴットや銀貨が販売され、大きな話題になった。さらに今年、プラチナも販売を開始。金の価格は上昇傾向にあり、特にアメリカでは飛ぶように売れているという。金のETF(株式)は、購入しやすいだけでなく、売りやすく、損益通算も可能というメリットがある。さらに、他の資産との相関が低く、価格が暴落するリスクが低いため、投資をする際のリスク分散の目的でも購入される。
日本のコストコでも金が販売されており、人気を博している。50グラムや100グラムの延べ板となっており、価格は時価のため、その時々において確認する必要がある。さらに 驚くべきは、ジュエリーや時計といった宝飾品だ。ロレックスやオメガなど数百万円もするブランド物も取り扱っており、そのラインナップは宝石や時計の専門店にひけをとらない。4500万円もするダイヤの指輪を置いている店舗もある。
これらは、店舗のみならずオンラインでも購入可能だ。だが、いずれも会員登録が必要で、「ゴールドスターメンバー」は年会費4840円(税込み)、「エグゼクティブゴールドスターメンバー」は9900円(同)を納めなければならない。いずれも申し込み者が18歳以上であれば、倉庫店またはオンラインにて申し込み可能であり、全世界の倉庫店で利用可能である。メンバーは最大で会員本人と非会員の大人同伴者2名が入場できる。
また、会員となり会費を納めても、1年以内に脱退すると年会費は全額返還さるため、買い物をするために会員となり、1年以内に脱退するという手法を取る人も少なくない。ただし、脱退するとその後1年間は再入会できないため、複数人でグループを組み、会員になる人を1年ごとに順番に回して、頻繁に共同購入をするという“抜け道”を採用している主婦グループの存在も数多く確認されている。
さらに、オンラインで購入したものをWoltやUber Eatsといった宅配サービスを利用して配達してもらうことも可能だ(店舗による)。また、コストコ店舗の出口付近には、ピザやホットドッグなどの軽食を販売する、会員限定のフードコートがあり、大型ショッピングモールなどと同様に、一日かけて買い物を楽しめる。前述したように、一度会員になって1年たたずに脱退する人もいるが、その楽しさから頻繁に買い物に訪れる常連客となる人が少なくないのもうなずける構成となっている。
(文=Business Journal編集部)