Suicaカード、1年超も販売一時停止の謎…Suica経済圏へ誘導?

 なお、カードタイプのSuicaとモバイルSuicaとでは各種のポイント還元率が異なる。たとえば、JRE POINT WEBサイトに登録したSuicaの入金残高で在来線に乗車したときなどに得られるポイントは、カードタイプのSuicaでは200円ごとに1ポイントであるのに対し、モバイルSuicaでは50円ごとに1ポイントと還元率が高い。カードを発行する手間分の差ともいえるのだが、JR東日本がモバイルSuicaに完全に移行させようとしているのかどうかは何ともいえないであろう」(梅原氏)

Suica経済圏

 私鉄会社社員はいう。

「Suicaカードは発行コストや在庫・発行済カードの管理の手間もかかるため、会社側としては廃止してアプリに全面移行できたほうがありがたいのは当然。また、JR東日本は銀行のJRE BANKを立ち上げるなど、鉄道・旅行・金融・ショッピングをはじめとするSuica経済圏の拡大を経営戦略として推進しており、利用者をそこに還流させてデータを活用していくためにも、できるだけモバイルSuicaに移行してくれたほうが好都合だろう」

(文=Business Journal編集部、協力=梅原淳/鉄道ジャーナリスト)