別の県の公立校教員はいう。
「以前勤めていた県では事前徴収はなかったのですが、今の県の学校に赴任して初めての修学旅行の前に、学校側から『来週7万●千円を徴収するので持ってきてください』と言われ、慌てて定期預金口座を解約したことがあります。もちろん後日、各教員の口座にお金が戻ってくるのですが、2~3カ月ほどタイムラグあるので、1年目などの若い先生は大変みたいです。交通費や宿泊代、施設の入場料などベースとなる部分は教員負担は発生しませんが、食費は一日当たりの支給額に上限があるので、超過分は教員の自腹となります。一方、日当が支給されるのでトータルで見ると大きな損はないですが、多少の過不足は発生しているように思います。教員は業務で行くにもかかわらず、事前に数万円単位のお金を徴収されるという仕組みには、やはり疑問を感じざるを得ません」
また、別の公立校教員はいう。
「生徒によっては、夜中に外に出てしまわないように見守ったり、寝返りのサポートが必要であったり、寝るまで付き添いが必要なケースがあります。そうした夜間対応に費やした時間は、たとえば別の日に『その分1時間休める』というかたちで調整できる自治体もありますが、自治体によってまちまち。また、夜に自室に戻っても休息というよりも待機というのが実情で、日当は出るものの事実上24時間勤務を強いられます」
事実上残業代なしでの長時間労働など、教員の労働環境の悪さによる離職率の高さや休職者の増加が社会問題化するなか、修学旅行をめぐる現状にも問題が顕在化しているといえよう。
(文=Business Journal編集部)