中堅IT企業役員はいう。
「これについては私も以前から少し興味があり、ネット界隈の人たちに質問したことがあるのですが、結論からいうと『よく分からない』というのが実情。『登録されているアカウントの視聴履歴から未成年だと判断されているのではないか』『投稿者が広告収益を得る設定をしていない動画ばかりみているのではないか』という声も聞くが、子どもが見ていても広告が流れることは普通にあるし、現在では投稿者が収益化していない動画でも広告が流れる。
可能性として考えられるのは、ユーザが自身で気が付かないうちにブラウザの広告ブロック機能をONにしたり広告ブロック用アプリをインストールしているというケース、本人が無意識のうちにYouTube Premiumに登録していたというケースや、契約した携帯電話のプランにYouTube Premiumが含まれているケース、インストール済の別のアプリが何らかの理由で広告再生を妨げているケースなどが考えられる。もしくは、YouTube運営元が広告効果測定などなんらかの理由で、比較調査のために一部ユーザの広告表示を一時的に停止したり、視聴する端末が特定の環境になると広告が表示されない仕組みになっているという可能性も考えられるが、運営元から公式に発表されている情報はなく、外部の人間は知るすべがない」
EC関連会社エンジニアはいう。
「以前、アカウントを登録していないブラウザで見たり、YouTubeアプリを使い始めたばかりの時期は広告表示が抑えられているのではないかという声もちらほら聞こえたが、どれも確証がなく、現在ではこうした場合でも広告は流れるので、少なくとも今はそういう仕様にはなっていない模様。意図的に広告が流れない期間を一定程度もうけて、その後に広告が流れるようにしてユーザにストレスを感じさせてYouTube Premiumへの登録を誘っているのではないかという都市伝説的な見方もあったが、噂の域に過ぎず、今の時代、世界的にメジャーなサイトがそんな露骨な手段を取るとは考えにくい」
ちなみに動画の投稿者が広告とYouTube Premiumからの収益の分配を受けるには、「YouTubeパートナープログラム」に登録し、チャンネル登録者数が1000人以上で直近12カ月間の有効な公開動画の総再生時間が4000時間以上であるか、またはチャンネル登録者数が1000人以上で直近90日間の有効な公開ショート動画の視聴回数が1000万回以上であるという条件を満たす必要がある。
(文=Business Journal編集部)