家電や家具をはじめ、楽器、オーディオ、ゲーム、パソコン、カメラ、フィギュアなどバラエティ豊かな中古品を取り扱うリユース・リサイクルショップ「ハードオフ」。不要品を買取に出したり、自分の求める中古品を探したりするといった具合に、それぞれのニーズに合わせた利用ができるチェーン店として知られている。ハードオフを擁するハードオフコーポレーションオリジナルの店舗ブランド数は全部で6つ。グループ店舗は47都道府県すべてに出店している。そんなハードオフだが、基本的に何でも買い取ってくれる方針のショップとしても有名。ネット上でもたびたびそのような話題が上がっており、少し前には「4年間使ったユニクロの服をハードオフが10円で買い取ってくれた」という内容の投稿が、一部で話題を呼んでいた。
投稿者がどのような状態の服を売りに出したかは定かではないものの、4年間着回した服となると、糸がほつれるなどそれなりに着古した状態になっているのは、容易に想像できる。場合によっては、買取が不可能なケースも考えられるが、10円という安い価格でもきちんと買い取ってくれるのは素直に驚きだ。衣類のほかにも、家具や家電などの中古品は、どのように買取価格や基準が決められているのか、疑問に思う人も多いだろう。そこでハードオフコーポレーションに話を聞いた。
まずは「4年使ったユニクロの服を買い取ってくれる」ということは実際にあるのか。
「ユニクロなどの衣類に限らず、商品の状態やデザインによっては、十分あり得ることです。たとえば、冷蔵庫・洗濯機・掃除機・炊飯器・電子レンジといった白物家電は、製造から5年~7年以内をひとつの買取目安にしていまして、品目によっては正常に動作すれば年式に関係なく買い取らせていただく場合もあります。買取価格については、市場価格やその店舗の在庫、過去のハードオフグループでの買い取り実績などを参考に、総合的に判断して決めております。
ただし当社グループでは、店舗や担当者によって買取金額が異なるケースもあります。店舗の在庫や買取を強化している品目の状況、地域性などによって変動することは珍しくはありません。画一的ではありませんが、逆にそこが面白さでもあるとお客様にご認識いただけますと幸いです」(ハードオフ担当者)
SNS上では「ハードオフは他社と比べて買取金額が低い」といったネガティブな意見がみられる一方で、「ハードオフは他の業者よりも商品を安く販売してくれる(販売価格が安い)」というポジティブな意見もみられる。
「『他社と比べて買取金額が低い』という声に関しましては、当社は『高価買取』を謳っておりませんので、他社様の買取金額のほうが高くなる場合もあるでしょう。ですが、商品ジャンルによって会社ごとに強みも異なるため、どちらでお売りになるかは最終的にお客様自身でご判断いただければと思います。
また、販売価格に関しては、『他社より安い』というのはあまり意識しておりません。あくまで当社基準で判断した販売価格になりますが、お客様にお買い得と思っていただけるようであれば、それは嬉しいことです」(同)
近年は訪日外国人の増加や、SDGs推進によるリユース品への関心が高まっていることにより、中古品・リユース市場の注目度は高まっていた。そして、コロナ禍以降の物価高が追い風となり、「高い新品よりも安い中古品」といった消費者の生活防衛意識が働き市場の規模は拡大。中古品・リユースビジネスの総合ニュースサイト「リサイクル通信」が公表する「リユース業界の市場規模推計2023(2022年版)」によれば、22年のリユース市場規模は2兆8976億円となっており、前年比で7.4%増。09年以降13年連続で拡大しており、さらなる拡大が予想される。