失敗しない部屋探しのコツとして「物件探すのは入居希望日2ヶ月前~」という項目があったが、ネット上では「いい部屋はすぐ埋まるから即決すべき」という意見もあった。
「即決すべき場面というのも確かにあります。いい物件であればあるほど、申し込みが入って募集が終了するまでのスピードが早いです。募集が出てから数日で終わってしまうこともあります。そういった物件は早い者勝ちになるため、いい物件を見つけたらすぐに申し込みして押さえる(その分、希望日よりも家賃支払いのタイミングが早くなりますが)という感じで動くといいと思います。このように即決するためには、事前に情報を収集したり、すぐ動けるように準備をしたりする必要があるので、だいたい引っ越し希望の2ヶ月前くらいから物件サイトを見ながら条件を整理していったり、費用的な部分で問題がないか等を確認しながら準備していくのがよろしいかと思います」(同)
「最初から不動産屋に行くのはNG」というコツについても、ネット上では「不動産屋はネットに出ていない優良物件の情報を持ってるので、まず直接訪ねたほうがいい」という意見が根強くある。実際、不動産屋に行かないと教えてもらえない「隠し優良物件」のようなものはあるのだろうか。
「基本的には、どこの業者も扱っている物件はほとんど同じです。同じ業者専用サイトで情報を共有しているからです。ただ、自社で管理している物件を業者サイトで共有せず、自社だけで紹介(通称:囲い込み)する業者も一部いるため、そういった業者の物件は直接行かないと紹介してもらえないケースもあり、すべての物件がネットに載っているというわけではありません。ただ割合的にいうと、エリアにもよりますが、囲い込みの物件は全体の10~15%程度かと思います。なので、まずはネットである程度の家賃相場などを確認してから、自分の条件を整理した上で不動産屋に行くという流れの方が、より理想の物件を見つけやすいと思います」(同)
部屋の条件の優先順位を決めるのは「あれもこれも」と考えてしまって難しいようにも思えるが、うまくやるためのコツはあるのだろうか。
「まずはエリアをどこにするのかを決めるといいです。週4~5日出社する人は通勤しやすいエリアをベースにして、物件の設備や、間取り&広さなどを条件に入れて探していくといいと思います。そこで希望通りの物件が出ればいいですが、もし出ない場合はエリアを都心から遠ざけて家賃相場が安いエリアで探す必要があります。その際に、エリアは絶対に変更したくない人もいると思うので、その場合は物件の設備や間取りを変更する必要があります。ここも変更できないという人は、家賃や初期費用の金額を上げて探す必要があります。何を優先したいかのお話になりますが、すべての希望を叶えられる物件というのは基本的にないので、自分にとってどれが大事なのかを考えながら、迷ったら紙などに条件を並べて書いていって、妥協できる条件は二重線を引いて消し、絶対に妥協したくないものに対して順番をつけていくといいと思います」(同)
ネット上では、大島てるの活用法として「大島てるに掲載されていることを不動産屋に告げて値下げ交渉の材料にする」という驚きの作戦を思いついたユーザーもいた。このアイデアに実効性はあるのだろうか。
「掲載されていることを理由に値下げ交渉ができる場合もあるかもしれませんが、そもそも掲載されていることをオーナーさんが把握した上での家賃や初期費用の値段設定になっている可能性もあるので、絶対にできるとは言えないですね。近隣の同じような条件の物件と値段比較してみて、検討中の物件の方が安い場合は望み薄ですが、相談してみる価値はあると思うので、不動産屋さんに確認してみてください」(同)
(取材・文=佐藤勇馬、協力=中野由妃絵/「ichikari」運営者)