メールアドレスを含むその他の情報をXに提供すると、Xはその情報とアカウントを関連付けます。Xはそうした情報からその他の個人情報を推測する場合があります。たとえば、Xに提供されたメールアドレスと共通の要素が使われているメールアドレスのハッシュを、アカウントと関連付けます」(Xヘルプセンターより引用)
ITジャーナリストの山口健太氏はいう。
「おすすめに表示するアカウントを決める仕組みとして『同じWi-Fiを利用していること』という条件は含まれていないものの、IPアドレスから得られる大まかな地理情報は考慮されるとのことから、可能性としてはあり得るという印象です。
実名が基本のFacebookやInstagramとは違い、Xは本名を公開せずに楽しめるのも特徴の1つですが、家族や同僚などにアカウントが知られるとプライベートな趣味や行動が筒抜けになってしまいます。また、自分では注意を払っていたとしても、Xでつながっている同僚のアカウントが会社に見つかることで、芋づる式に自分も見つかるといった可能性があります」
また、各アカウントの設定ページで「推測される識別情報をもとにカスタマイズ」の機能をオフにすれば、この仕様を回避できるという指摘もみられるが、山口氏はいう。
「対策として、SNS上ではアプリの 『設定とプライバシー』→『プライバシーと安全』→『推測される識別情報』→『推測される識別情報をもとにカスタマイズ』をオフにするという方法が出回っていますが、おすすめ表示との関係についての説明はなく、どれくらいの効果があるかは不明です。おすすめ表示に利用される他の要素としては、Xにアップロードされた連絡先も利用されます。この機能は『設定とプライバシー』→『プライバシーと安全』→『見つけやすさと連絡先』→『アドレス帳の連絡先を同期』からオフにすることができます」
この仕様はプライバシー保護などの観点から適切といえるのか。
「より詳細なプライバシー設定ができたほうが望ましいと思いますが、Xに投稿した情報はインターネット上に広く公開され、他者とのつながりもあることから、特定の人に見つからないように活動することには限界もあります。アカウントに鍵をかけ、仲間内だけで楽しむのも1つの手でしょう」
(文=Business Journal編集部、協力=山口健太/ITジャーナリスト)