ですから、2~3回クローズドクエスチョンをしたあとは、できるだけ早めにオープンクエスチョンをひとつ入れる……というように、工夫してみてください。
会話を広げるには、相手の話のどこかに焦点を絞って問いを発することも重要です。5W1H=「いつ」「どこ」「何」「誰」「なぜ」「どうやって」が念頭にあれば、何を聞いていいか困ることはないでしょう。
初対面の方と話す場合、いきなり発展して突っ込んだ質問はしないはずなので、ある程度のオープンクエスチョンは準備しておくといいでしょう。
日本人は、照れくさいのか、面と向かって人を褒めるのが苦手な人が多いのではないでしょうか。がんばって褒めようとしても、特に初対面など、まだ相手のことをあまり知らない場合、褒めるポイントは視覚的なものに限られてきます。
そこが難しいところで、たとえば容姿を褒めたつもりだったのに、それが相手のコンプレックスだったりしたら、喜ばれるどころか傷つけることになってしまいます。何がコンプレックスになっているのか、他人にはわからないものです。
相手をよく知らないのなら、なおのこと。容姿を褒めるのは簡単ですが、やはり初対面や、知り合って間もないころはやめておいたほうがいいでしょう。
とはいえ、視覚情報のすべてを避けたほうがいいわけではありません。見た目にはその人の内面やセンス、こだわりなどが表れています。そこをうまくキャッチできれば、相手は自分の内面やセンス、こだわりを認められたように感じて喜んでくれるでしょう。
そのためには、相手をよく観察する必要があります。つまり相手に興味をもつことが第一歩ということです。
たとえば、洋服やアクセサリー、持ち物、髪形、メイクなど「装い」に関することをキャッチするのは、比較的実践しやすいのではないでしょうか。「素敵なネクタイですね」「きれいな色のアイシャドウですね」などなど。
これらをキャッチするのは、つまり相手のセンスやこだわりをキャッチしたということなので、褒め言葉を褒め言葉として、ストレートに受け取ってもらえる可能性が高いのです。
「笑顔」を褒めるのもおすすめです。表情は内面からあふれるもの。顔は顔でも「笑顔」ならば、容姿ではなく、そんな素敵な笑顔をあふれ出させている内面を褒めることになります。老若男女を問わず、喜んでもらえるのは間違いありません。
見た目以外だと、私は、よく「名前」を褒めます。名前は、その人の「自己の存在の証明」です。そして、名前の表記には、たいていは親御さんなど、その名前を付けてくれた人の思いが込もっています。そこをキャッチすることで、内面ごと受け入れられたかのような感覚を抱いてもらいやすいのです。
もうひとつ、私がよくキャッチするものを挙げるとしたら、「声」です。たとえば、ハキハキしている人はハキハキした声になるし、上品な人は上品な声になる。そんな感じを受けるので、素直に「ハキハキしたお声ですね、こちらまで元気になれます」「上品な笑い声、素敵です」などと伝えます。声質はもって生まれたもののひとつですが、話し声や笑い声には、その人の内面が表れる気がするのです。
あいづちの打ち方、投げかける質問や言葉など、ちょっとしたことでも初対面の人との打ち解け具合や今後の関係性は変わってきます。相手に興味をもって、観察し、それを相手に伝えるということをぜひ実践してください。