"異色"オーディション「ノノガ」に感じる新しい波

ちゃんみな
ちゃんみながプロデュースするガールズグループのオーディション『No No Girls』が話題を呼んでいる(画像:【No No Girls】/YouTubeチャンネル「BMSG」より)

いまやアイドルの世界にオーディションの存在は欠かせない。近年の主流は、K-POPからの影響もあってサバイバル型のオーディションだ。そうしたなか、これまでにあまりなかったユニークなオーディションが始まっている。その名も『No No Girls』(通称「ノノガ」)。ちゃんみなをプロデューサーに迎えたこのオーディション、どのようなものだろうか?

ちゃんみなが掲げた「3つのNo」

まず、オーディションの概要を説明しよう。

『No No Girls』は、ラッパーでシンガーであるちゃんみながプロデューサーとなったガールズグループオーディションだ。BE:FIRSTを輩出したオーディション『THE FIRST』を主宰したミュージシャン・SKY-HIがCEOを務めるBMSGが、経営とマネジメントで参加。SKY-HIは、オーディションの場にも同席している。

昨年秋に開催が発表され、その後募集期間を経て今年2024年に始動した。応募総数は7000通超。日本だけでなく、韓国やアメリカなど世界各国からのエントリーがあった。

審査の模様は、10月4日からYouTubeで配信がスタート(毎週金曜配信)。Huluの完全版や日本テレビの公式応援番組でも見ることができる。

1次審査から2次審査を経て3次審査まで現在終了。3次審査は合宿形式で6つのチームに分かれてのパフォーマンス披露だったが、ここで20人まで絞られた。次は4次審査となる。

こうしたガールズグループのオーディションは近年多く、注目もされている。ME:Iを生んだ『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』などは、まだ記憶に新しいところだろう。

ではこの『No No Girls』は、どこに特色があるのか?

【画像】自然体で審査にあたるSKY-HIとちゃんみなの様子も話題に『No No Girls』のオーディションの様子(5枚)

それはまず、オーディションのタイトルに示されている。昨年秋、オーディション開催を発表した際、ちゃんみなはこんなことを言っていた。

「私はさまざまな場面で『No』と言われてきた人生でした。見た目だったり声だったり曲だったり、あーでもないこーでもないと言われ続けた人生でした。それでも私のことを信じてついて来てくださった方がいて。

『No』と言われてきた人たちを救いたい、そしてその人たちの声を聴きたいと思ってこの名前をつけました」(『音楽ナタリー』2023年11月4日付記事)。

普通、こうしたオーディションのプロデューサーが、ここまで自分をさらけ出すことはない。あくまで客観的に、冷静な目で選ぼうとするだろう。

それに対し、ちゃんみなはプロデューサーでありながら、ひたすら熱い。そのベースには、自分と似た経験をし、似た悩みを抱えてきた女性たちへの共感がある。それがなによりもまず、この『No No Girls』をこれまでなかった異色のオーディションにしている。

そこから、このオーディションのポリシーである「3つのNo」、すなわち「No FAKE(本物であれ=自己表現)」「No LAZE(誰よりも一生懸命であれ=自己理解)」「No HATE(自分に中指を立てるな=自己肯定)」も生まれた。

SKY-HIとちゃんみな
オーディションをプロデュースするにあたって発せられるメッセージにも共感が集まっている(画像:【No No Girls】/YouTubeチャンネル「BMSG」より)