「仕事の切り替え」うまい人と下手な人の決定的差

社内人事をかぎまわる行為は、実はとても軽率な行動であると言えます。「情報通になりたい」「ゴシップが好き」などの、気楽な気持ちでやっていいことではありません。誰も知らない情報というのは、誰にも知られてはいけない情報なのです。

人事情報が漏れることによるリスクは大きい

「人事情報」には多くの個人情報が含まれていますし、そういった情報が簡単に漏洩するとなれば、会社の管理体制の甘さを指摘され、信用を失い、イメージダウンになります。

また、人事の辞令の前に内示が該当者や関係者以外の誰かに漏洩したとなれば、社員のモチベーションは低下し、人間関係にも不和が生じます。それにより離職者が出て貴重な人材の流出や内示の変更・取り消しにつながることもあります。

このように、人事情報の漏洩は会社への損害が大きいため、故意に情報漏洩をした人は、厳しい罰則を受けることもあります。だから、そういったリスクを考えられず、何でも知りたがる人というのは、とても軽率な人なのです。

自分の人事情報の辞令を待てない人は、会社からの評価と自己評価の間に、認識のギャップがあるのかもしれません。

周囲の評価と自己評価が一致している人は、辞令に対してだいたいの予測がつくし、受け入れることができるので、そこまで早く知りたいと焦ることはありません。また、他人の人事情報が気になる人は、心のどこかで人の弱みを握ってマウントを取りたい気持ちがあるのだと思います。

知りたがりの人ほど、つねに自分と他人を比較して、自分のほうが優位である点を探そうとします。自分に自信がないから、実力以外の部分で勝つために情報を欲しがるのです。特定の相手への好意やあこがれが強すぎて「なんでも知りたい……」という人もいますが、それが相手の人事情報までいくなら、やりすぎです。ストーカーと間違われる可能性もあります。

社内人事を詮索することはマイナスしかない

社内人事の行方をかぎまわり、聞き出すことができたとしても、社内での自分の評価は上がりません。それどころか、会社からの信用を失い、社内ルールを守ることができず、自分を律することができない人物だと評価されてしまいます。

人間関係に不和を生じさせる人を尊敬する人もいないでしょう。むしろ情報漏洩に加担したと疑われないよう、距離を置かれるかもしれません。

マイナスな要素以外ありませんから、やたらと社内人事を詮索せず、どんな辞令が下りても動じないよう、どっしりと構えて待っていたほうが、利になることは多いと思います。