ほかにも、同僚が掃除をきちんとしなくていつもイライラしてしまう、そんなときも「わたしはきれいになったら気持ちいいから掃除しているだけ」と考えてみます。
人がどうでも、自分がやりたいことをやるというシンプルなこと。相手と自分を切り分けて、人のことを気にしすぎない。自分がしたいからする、そう思えるとすごくラクになります。
人を変えるのは難しいとはいえ、自分が変わる、自分が我慢するばかりではいつか爆発してしまいそうです。
ではどうやって相手に伝えるとうまくいくのでしょうか。
あるときこんなご相談をいただきました。「3年間在宅勤務の夫。リビングで仕事をするのですが、家族全員同じ空間で過ごすことにストレスがたまっています。『リラックスできないから、リビングで仕事をしないでほしい』と伝えたいんです……」と。
わたしは家族でも職場でも、言いにくいことを伝えるときは、必ず「相手にとってプラスの言葉で伝える」ようにしています。ご相談くださった方のように、「リラックスできないから、リビングで仕事をしないでほしい」と伝えるのは、自分が主語であり、さらに「ない」という否定を重ねた言い方。これでは相手には上手に伝わりません。
わたしなら、感謝の気持ちを最初に伝え、その上で気になることを伝えます。たとえば、「いつもありがとう。みんな家にいる時間が長いし、パパが集中できるように、家族もリラックスできるように、上の階で仕事してくれたら助かるな~」と明るく伝える!
また、子どもから伝えてもらうのも1つの方法。子どものほうがやわらかい表現で伝えることができ、効果的な場合もあるんです。
家庭でも職場でも、わたしがしんどい、わたしがラクになりたい、の表現では伝わるものも伝わりません。
「相手にとってプラスなことを先に伝える」。
これができれば、コミュニケーションがスムーズにいき、誰かのことで悩む時間を減らすことにつながるはずです。
・明日の朝困るから、早く勉強しなさい!→今宿題して、あとでおやつ食べよう!
・会社の備品、ちゃんと元に戻して!→戻しておくと、使うときラクだよ~!
「なぜわたしばかり、そこまで考えなくてはいけないの?」といったお声もいただくのですが、言い方を変えるだけでコミュニケーションがラクになるなんて、すっごく時短(笑) もめごとが起きる前に時間を使うほうがよっぽどいいことだと思うのです。