クルーズ事業参入は、オリエンタルランドがこれまで抱えていた課題を打破する事業になる可能性がある。同社の柱であるディズニーリゾートは連日、混雑状態が続いている。直近では1人あたりの単価を引き上げる戦略が成功し業績は好調だが、既存エリアのみでの成長には限界があった。
「海上のテーマパーク」であるクルーズであれば、ディズニーリゾートの混雑状況は関係ない。売り上げのほとんどをディズニーリゾートが占める「舞浜依存」の脱却に向けた一手といえる。
会見で吉田謙次社長は、「今後、国外に出るクルーズなどバリエーションを増やすことを考える余地はある」と、さらなる展開も示唆した。
クルーズ事業成功のカギとなるのはリピーターの育成だ。
東京ディズニーリゾートは来園者の9割がリピーターと言われる。ディズニーリゾートであれば来園1回あたりの単価は1万~2万円程度。しかしクルーズは10万~30万円と高額になる。なお飛鳥クルーズは2泊だと1人あたりの単価は15万円程度となっている。
高額な費用を上回る体験価値を船上で提供できるか。オリエンタルランドの腕の見せどころとなる。