逆に指摘をするならば、高年齢層の覇権デジタルメディアといってもいいYouTubeにおいて、この「信頼性」という部分の印象を好転できれば、高年齢層はさらにYouTubeを利用する、とも言い換えできそうです。
高年齢層の視聴しているYouTubeチャンネルにおいてもANNやNHKといった知名度がある企業の動画に多くリーチをしていることから、出自の担保・情報の安全性に注目していることがうかがえます。
メディアの利用ログから高年齢層がどのようにスマートフォン、デジタルメディアを使っているのかを確認したところ、ログデータからも意識のデータからも共通して、生活に必要となる「ためになる情報」、さらに言うと「暮らしに役立つ情報」を求めていることがわかりました。
もともと、高年齢層はラジオや新聞といった報道要素が濃い媒体と馴染みがあるためか、デジタルメディアにおいても、ニュースコンテンツや即時性があるものが受け入れられているようです。
直近でマイナンバーカード申請やワクチン接種予約などで、必要に迫られてデジタルシフトをした方も、デジタルメディアのコンテンツに触れていく中でその利便性に気づき、自身に合うメディアを選択している様子がログデータでの利用状況からもうかがえました。
今後も急速な拡大が見込まれる高年齢層のデジタルメディア利用。今回、i-SSPの利用ログを分析することで、ためになる情報・ニュースといった高年齢層のニーズや、デジタルメディアに感じているネック(信頼性への不安)も見えてきました。