その後、「だから人のなんて聴いている暇はないんだよ」と冗談っぽく、付け加えている泉谷。音楽活動に真摯に打ち込んでいることがわかる「神回答」である。
ちなみに、2017年4月1日に日本テレビ系「有吉大反省会スペシャル」に出演したときには、「型破りなキャラっていうのは作り物だよね」とも発言。子どもの頃から激しい人見知りだったため、自分を変えようという演出だと明かしている。*4
・ソフトバンク孫正義の上手な切り返し
ソフトバンクグループの創業者・孫正義(そんまさよし)の人生は、波乱に満ちている。
久留米大学附設高校を中退して単身で渡米。カリフォルニア大学バークレー校在学中に、音声装置付きの多国語翻訳機の試作機を開発し、シャープから1億円で買い取られた。帰国後の1981年、24歳で日本ソフトバンクを設立する。
ソフトウェアの卸売業や出版業などをスタートさせ、順風満帆に思えたが、重い慢性肝炎を患ってしまう。入退院の繰り返しは3年半にも及んだ。孫は開き直って読書に没頭。焦らずに、再起のタイミングを待ち続けた。
転機はネットバブルの崩壊前に、アメリカYahoo!社に多額の出資を行ったことだ。Yahoo!は急成長し、孫は多額の資金を獲得する。それを元手に金融、証券、ベンチャーキャピタル、通信事業、放送事業、球団経営などさまざまな分野に進出を果たす。
SNSではユーザーからの要望に「やりましょう」と応えるスタイルが話題に。「髪の毛の後退度がハゲしい」と揶揄されたときには、次のように切り返して、反響を呼んだ。
「髪の毛が後退しているのではない。私が前進しているのである」*5
現在、Xのアカウントは280万人以上のフォロワーを抱えながらも、「次の僕の手が想像されてしまう」として、SNSの更新を停止している。*6
果たして、密やかにどんな前進をしているのか。楽しみである。
この記事では、「切り返しで相手を圧倒する」をご紹介したが、『「神回答」大全 人生のピンチを乗り切る著名人の最強アンサー100』では、そのほかに「心がスッと楽になる」「人間関係を円滑にする」「相手に寄り添う」「心が奮い立つ」「視野が広がる」「雰囲気を解きほぐす」「相手のイメージを膨らませる」といった効果別に分類して『神回答』を取り上げた。
考え方1つで日々の過ごし方は、まるで違ったものになる。本書を活用して、発想の転換を促す言葉の数々に、ぜひ触れてみてほしい。
●コメント引用出典
*1:「人志松本の酒のツマミになる話」(フジテレビ系、2021年8月20日放送)
*2:「アンミカの名言『白は200色あんねん』はパリコレでの大失敗から生まれた」スマートフラッシュ、2023年7月20日)
*3:「泉谷しげるに“よく聴く曲”を尋ねたらまさかの答えが!『練習のために聴いている』」(池守りぜね著、フムフムニュース、2023年8月16日)
*4:「小倉優子や泉谷しげるが有吉にカミングアウト『反省会』2時間SP」(お笑いナタリー、2017年4月1日)
*5:孫正義の公式Xアカウント(2013年1月8日)
*6:「孫正義氏が明かすTwitterへの投稿を止めた理由」(CNET Japan、2013年9月
30日)