「ダメ出し受ける資料」「受けない資料」決定的な差

仕事術?資料作り
商談やミーティングでダメ出しされない資料のつくり方のコツを紹介します(写真:Thanumporn/PIXTA)
「数字に弱く、論理的に考えられない」
 
「何が言いたいのかわからないと言われてしまう」
 
「魅力的なプレゼンができない」
 
これらすべての悩みを解決し、2万人の「どんな時でも成果を出せるビジネスパーソン」を育てた実績を持つビジネス数学の第一人者、深沢真太郎氏が、生産性・評価・信頼のすべてを最短距離で爆増させる技術を徹底的に解説した、深沢氏の集大成とも言える書籍、『「数学的」な仕事術大全』を上梓した。
 
今回は「資料」について取り上げ、商談やミーティングでダメ出しされない資料のつくり方のコツを紹介する。
 

ダメ出しされる資料は「種類」を間違えている

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時間をかけて資料をつくり、商談やミーティングに臨んだところ、「ちょっと見づらいですね」「要するに何が言いたい資料なのでしょうか」「情報が足りないよ」などとダメ出しをされてしまった。

なかなかにダメージの大きい出来事ですが、誰しも経験のあることでしょう。できることならば、二度と経験したくない失敗体験です。

私は仕事柄、頻繁に資料作成についての相談を受けます。質問に来る方の多くは、グラフや数字などを美しく整え、整然とした資料を作成する能力がある方たちです。しかし、それでも上記のような失敗経験をたくさんしているようです。

ダメ出しされてしまう資料の、いったい何が「ダメ」なのでしょうか。

ズバリ、資料の「種類」を間違えているから指摘を受けてしまうのです。

詳しくご説明しましょう。あなたはビジネスで使われる資料にはどんな種類があるかを考えたことがあるでしょうか。あくまで私の整理ですが、実はたった2種類しかありません

①じっくり、ちゃんと、読む資料

②パッと、サクッと、見る資料

念のため説明しますが、「じっくり」や「ちゃんと」とは、落ち着いて丁寧に、といった解釈をします。一方で「パッと」や「サクッと」は素早く大雑把に、といった解釈をします。

そして、シチュエーションに合った正しい種類の資料を活用することで、先ほどご紹介したような失敗体験は激減します

「見る資料」には美しくする工夫が必要

①の「じっくり、ちゃんと、読む資料」は細かい情報まで正確かつ丁寧に記載する必要があります

作成にあたり留意することはまさに、「細かい情報まで正確かつ丁寧に記載する」以外にありません。ある意味では、工夫の要らない資料ということになります。例としては次のようなものがあります。

・企業が決算発表などで公表する正式な資料(主に配布する資料)
・企業間で契約をする際に交わす契約書や覚書
・報告書や始末書など、細部まで正確に情報を伝達するための書類

一方で、②の「パッと、サクッと、見る資料」はそうはいきません。

ある情報を削ぎ落としたり、あるいは強調したり、色やグラフなどを活用し、見やすく、美しい資料にする必要が出てきます。つまり工夫が必要な資料なのです。例としては次のようなものがあります。

・採用活動で企業が使う概要説明資料
・経営層に向けて行うプレゼンテーション資料
・自社サービスの魅力を訴えるPR映像
 

ここで重要なのはこの2つをどう使い分けるかということです。その答えは、「読む」「見る」という表現にあります。

読む資料とは、相手に読ませるためのものです。見る資料とは、相手に見せるために必要なものです。当たり前のことを述べているように感じるかもしれませんが、これがとても重要です。

ビジネス書を例にとってみましょう。たいていの書籍には目次があります。では、この目次は読ませるもの、あるいは見せるもの、どちらでしょうか。さらにその本の表紙(カバー)はいかがでしょうか。