こうした「ほんのちょっと」の行動が、やる気に火をつけて、心の勢いをつくります。
ドーパミンの放出で心に勢いがつけば、動けない人が動ける人に変わります。
体と心は表裏一体。
行動と感情は、密接に関係しています。
むしろ、行動から感情が生まれるのだという考え方が、モメンタムの基本。
「やる気があるから行動する」のではなく 「行動するからやる気が出る」 のです。
同じように、「おかしいから笑う」のではなく、「笑うからおかしくなる」 のです。
これは脳科学でも実証済み。
たとえそれがウソの笑いでも、笑っているうちに、本当におかしい気持ちになってきます。
以上を踏まえて、モメンタム発動の条件を一言でいうと、「何でもよいので行動する」ことです。
例えば、「会社、行きたくない……」と、ベッドのなかで悶々としていることを想像してみてください。いくら待っても「会社に行きたい!」という気持ちが芽生えることはなさそうです。
しかし、ただ「立ち上がる」だけなら、できる気がしませんか?
そして、「立ち上がる」だけでも心は動き始めるのです。
行動科学の手法にも、これを利用したものがあります。
パソコンを使わせず、参加者全員を立たせて討議をするのです。
すると全員の集中度が高まり、討議が活性化。
まして、うたた寝をする人などいません。
あらゆるシチュエーションで、「行き詰まったら、動く」ことを意識してください。
「立ち上がる」以外にも、背伸びをする、歩き回る、ラジオ体操をする、ゴルフの素振りをする(もちろん、野球や剣道の素振りでもOKです)、踊る、軽くジョギングする、などの行動も、モメンタムの発動に効果的です。
※気持ちが落ち込んで、何日も「会社に行きたくない」という気持ちが続く場合は、心療内科などでご相談ください。