あなたは「どちらを選んでも間違いではない選択肢」の間で、悩んだ経験はありませんか?
「決断しきれずに何時間も、ときには何日間も、意識のどこかで迷い続けてしまう」
そんな習慣は、エネルギーの無駄遣いです。すみやかに手放してしまいましょう。
たとえば、よく聞くのは「最近、活用していないサブスクサービスを解約するかどうか」というお悩みです。
あるとき私は友人のFから、次のような悩みを相談されたことがあります。
「3カ月以上観ていない動画のサブスクサービスを、解約するかどうか悩んでいる」
(3カ月以上も観ていないんなら、さっさと解約しちゃえば?)
私は一瞬そう思いましたが、そのフレーズをぐっと飲みこみました。
Fは2年半ほど前、ある海外ドラマが目当てで、その動画のサブスクサービスに入会したと言います。
なんでもそのサービスでは、2年以上継続した会員は「ゴールドメンバー」に格上げされ、それまで1000円だった会費が850円に値下げされるといいます。
確かに、そんなお得な割引サービスを知ると「3カ月以上観ていないから」という理由だけで解約するのはもったいないという気もします。
とはいえFに「特に観たい番組があるの?」と聞くと、「ないわけではないけど……」と答えます。なんとも微妙な返事です。
Fは、こう説明してくれました。
「『どんな動画でも、観たらそれなりに面白いだろう』と思いつつ、今日はそんな気分ではないと過ごしているうちに月日があっという間に流れ、3カ月の間、結局一度も動画を観なかったんだよ」
そう言われて、私はすんなり納得できました。
「動画を観るのは、今日の気分ではない」、そんな月日がたとえ長く続いても、ある日突然、観たい動画が出てくるかもしれません。
すると、ここで解約してしまっては「ゴールドメンバー会員価格の850円で本来観られたはずのもの」に、1000円を払わなければなりません。
それは確かに悔しい気がします。
Fはおそらく「いま、観ていないのに、未来のためにお金を払い続けること」にモヤモヤさせられているのでしょう。
とはいえ解約にスパッと踏み切れないのは、「将来、観たくなったとき」に、いまより150円も割高で、料金を負担しなければいけないからです。
結局、「解約か継続か」最終的にどちらが得か。
厳密に答え合わせをしようとすると「Fがこの世を去る瞬間」にプラスマイナスを清算するしかないでしょう。そんなことは非現実的です。
だから「いま、どちらが得か」という問いには、「わからない」と答えるのが正解なのです。
このように「どちらを選んでも間違いではない選択肢」について迷い続けることは、誰にでもあります。