この残念な思考のループは、次の3つの「沼状態」に永遠にハマり続けるイメージです。
このような沼のループから脱出するためのコツをお伝えしましょう。
といっても難しいものではありません。
そのときの心の状態に応じたものを、選べばよいだけです。
専門的な話になりますが、人の心の状態は、「①リラックス」(心地よくゆるんでいる状態)、「②チャレンジ」(積極的に何かに取り組める状態)、「③ストレス」(気になることがあり心に負荷がかかっている状態)に分類できます。
「毎月850円を払い続けている事実」の受け止め方を、この3種類の状態に当てはめるとこうなります。
このように同じ「850円」でも、そのときの心の状態により、受け止め方はまったく異なります。
「いつか観るかもしれない」という未来については答えが出ませんが、いまの自分の心の状態に基づけば、どれを選べばよいかはわかるはずです。
もしあなたの心が①リラックスゾーンにあるなら、今後もそのまま払い続けるのがよいでしょう。
②チャレンジゾーンにあるなら、来月はわかりませんが、今月の支払いについては、前向きに捉えられそうです。しばらく様子を見るのがよいでしょう。
そしてFが陥っていた③ストレスゾーンにあるなら、即解約すべきでしょう。
私たちは心の状態によって、自分の気持ちを「良い・悪い」のどちらかに寄せがちです。
つまり心には、「損得」とは別に「どのように感じるか」という気持ちの評価軸もあります。
「今月850円払う」ことについて「これで、いつか観たくなっても、ずっと850円で観られるぞ。ラッキー!」と思うのか、「やっぱり観なかったから、また850円も損した。クソッ!」と思うのか。
たとえ計算上は同じでも、気持ちの上で明らかに「いま、つらい」のであれば、現時点での答えはハッキリします。
ズバリ、即解約すべきなのです。
私たちの心にとっての正解は、その時々で移り変わります。
絶対的な正解なんて存在しません。
ですから「未来のゆるぎない答えを知ろう」と考えをグルグルループさせるより、現時点での気持ちを把握し、それに当てはまる「そのときの正解」(その瞬間に「正しい」と思われる答え)を選ぶのが正しいのです。
実際、明日にでも気持ちは変わるかもしれません。
「正解」なんて、そのときによって変わっていいのです。
正解にこだわり続けても、ストレスになるだけです。
大切なのは、何かを決断する「その瞬間」の気持ちに素直にしたがうことです。
まとめておきましょう。
「今月も損したなぁ」と思いながら850円を払い続ける行為は、ストレスのもとになります。
反対に「少しでも節約したいから」と850円を払わず、楽しい時間をケチる行為も、心をじわじわとむしばみます。
ですから、自分が納得するゾーンを選びましょう。
現在の気持ちを見極めること。それこそ、幸せになるためのたった一つのコツであり、あなたの人生を豊かにすることに直結します。