インボイス、今さら聞けない「2割特例」「8割控除」

インボイスではなくても会社の経費にはなるが、消費税の納税額は増える。消費税の流出を極力避けたいならば、経理担当者としてはインボイスのみが経費精算に回付されることを望む。

2種類の領収書が混乱の原因に

インボイスの領収書とインボイス以外の領収書が混在すると、経理処理が煩雑になるだけでなく、消費税の納税額も増える。会社でのインボイス制度開始後の経費精算の対応方針では、「インボイス以外の領収書を経費精算で使わないように」というルールを作ったという話も聞く。

これについては、筆者としては事業活動が円滑でなくなるため、勧めているものではないが、こうした煩雑さを極力これを回避するならば、数多くのことを日常的に気を付ける必要がある。

例えば、飲食店を利用する場合は予約の段階や入店前に確認する。実際、飲食店側も店舗情報掲載サイトやSNSなどで、インボイス登録店と周知したり、店先に目立つシールを貼ったりしている店舗もあるようだ。

タクシー代についても、乗車する前に「インボイス登録をしていますか」と聞くことも必要だろう。個人タクシーの中には、表示灯でインボイス対応かそうでないか区別できるようになっているという。

このように、飲食店やタクシー業界など会社経費での利用頻度が高い業界では、インボイス登録済みであることを明示しているところが増えている印象だ。

インボイス制度が始まったが、依然として現場は混乱している。その中でもインボイス登録を行う事業者が多数あり、インボイスを多く見るようになった。

インボイス制度については今後も議論が続くと思われるが、事業者のインボイス制度を理解する姿勢と国の歩み寄りの姿勢によって、社会に役立つ制度になることを願う。