「インスタ映え」がユーキャン新語・流行語大賞の年間大賞を受賞したのは、2017年のこと。当時はクマやうさぎの耳をつけられる加工アプリ「SNOW」も大人気で、SNSに投稿するなら「映え」と「盛り」は必須でした。
でも、誰もがたびたび映えるスポットに行けるわけではありません。加工アプリを駆使して「盛れた」自撮りを投稿しても、「あざとい」と陰口を叩かれてしまうことも。みんなが幸せな日常を演出しているSNSを眺めるにつれ、SNS疲れを感じる人も増えてきています。
そんな昨今、若者を中心に人気が急上昇しているSNSがあります。「BeReal(ビーリアル)」です。文字通り、リアルを共有するSNSで、映えることも盛ることも難しい仕組みになっています。
「BeReal」は、2020年にフランスで創業された企業BeRealによるアプリで、フランスやアメリカの大学生を中心に人気が出ました。公式アナウンスでは2022年にデイリーアクティブユーザーが2000万を超えたと発表されています。
国内では、App Storeの「ソーシャルネットワーキング」内で2位、Play Storeでは「ソーシャルネットワーク」内で4位(どちらも11月23日時点)という人気ぶりです。また、LINEリサーチが若年層に向けて行った調査「今後(いまよりも)流行りそうなSNS」の4位に「BeReal」(14.3%)が入っています。1位Instagram、2位TikTok、3位Xに次いでの4位なので、若年層からの注目度がかなり高いことがわかります。
リアルを共有するSNSにするために、BeRealには数多くの制限が設けられています。
従来のSNSとは使い方が違うため、想像しにくいかもしれません。順を追って説明しましょう。
BeRealを始めると、1日1回通知が来るようになります。早朝のときもあれば、昼間や夜間のときもあり、毎日バラバラの時刻に一斉に送られます。
通知が来たら、2分以内に撮影しなければなりません。寝起きでベッドの中にいても、道を歩いている時でもアプリを使って撮影します。投稿はインカメラとアウトカメラでほぼ同時に撮影されるため、時にはすっぴんの顔と散らかった部屋が写されることもあります。2分以内に投稿すれば、ボーナスとして、その後2回投稿できるようになります。反対に、投稿しなければ友達の投稿は見られず、後で投稿すると遅れた時間が明記されます。
友達の投稿には、Realmojiというスタンプやコメントでリアクションできます。
Realmojiとは、自撮りなどで作るオリジナルスタンプです。「いいね」なら手でポーズをして撮影したり、驚いた顔や悲しい顔などを自撮りしたりして自分だけのスタンプを作成します。投稿には、その人の友達の顔がスタンプになって並ぶのです。