目立たないのにみんなから一目置かれている人、あなたの職場にもいませんか。控えめな人にとっての職場での理想的なポジションは、まさにそういう人のような立ち位置かもしれません。
今回は目立たないまま、社内で一定の評価を得られるようになる仕事習慣についてお話しします。まず「自分が力を発揮しやすい環境」を作り、「評価されるような行動を実践する」という順番で取り組みます。
仕事ができない人になってしまう原因の1つが環境の悪さです。ここでいう「環境」は、職場の騒音や空調のような物理的環境と、仕事内容や人間関係のような、自身が置かれた状況の両方を指します。控えめな人が力を発揮できるかどうかは環境にかかっているといっても過言ではないので、まずは環境を整える意識を持ってほしいと思います。
環境作りとして最重要なのが「苦手を断り得意を発揮すること」です。苦手なことはミスをしやすく、精神的に疲れるうえに効率が悪くなります。得意なことであれば、ミスも少なく疲れも出づらいでしょう。
得意なことをしていると、不思議なことが起きます。自分は特に頑張っていると感じないのに、周りはすごいと感じてくれるのです。
任天堂の岩田聡元社長は、ドワンゴの川上量生元社長との対談で「“労力の割に周りが認めてくれること”が、きっとあなたに向いてること」と話していました。まさにそのとおりだと思います。
たとえば、誰かが1人でやる作業に没頭していて、「あれは自分も得意なことだ、うらやましいな」と思うのであれば、将来的にその作業を自分が獲得できるよう働きかけてみてもいいかもしれません。
職場には大勢の人がいます。あなたの得意なことが苦手な人もいるし、あなたの苦手なことを得意とする人もいます。あなたが苦手なことは、それを得意とする人に渡しましょう。代わりにあなたの得意なことを引き受ければ、自分に有利な環境を作り出すことができます。
たとえば、私は電話応対が苦手です。作業を止めて応対しなければなりませんし、誰が何の内容で電話をしてくるかわからないからです。そこで私の場合は、電話応対の多い仕事を避けるために転職し、工場の現場で働くことを選びました。電話応対そのものがないので、ミスをすることもなく、評価が落ちにくくなりました。
といっても、やりたい仕事を引き受けるための積極的な行動をする勇気が出ない人もいることでしょう。その場合は、置かれた状況の中で、物理的な環境を工夫して乗り切る選択肢があります。
たとえば、オープンオフィスのような環境での電話応対がつらい場合を考えてみましょう。自分の電話応対が周りに聞かれる不安は、上司などに席替えを相談し、周りにいる人数を減らせれば軽減できるかもしれません。