商談相手の心情を読むのが上手な人下手な人の差

仕事に、会議に、交渉に臨む私たちには、達成したいことがあります。相手に協力してもらうことで、世の中をこう変えるのだ、ということもあるでしょうし、これをいくらで売りたい、ということや、この商談をまとめてそろそろ昇進したい、ということもあるかもしれません。それは相手も同じです。

この、達成したいことが相手と同じであればよいのですが、いつもそうとは限りません。そうでないことのほうが多いかもしれません。だから?交渉?になるのです。「百人いれば百通りの正義がある」というのにも通じるところがあります。相手に意地悪したいとか、陥れたいと考えているわけでは毛頭なくても、目指すところが違えば軋轢が生まれます。

まず、相手には相手の事情、心情がある、自分とはずいぶん違うのだということを、心して場に臨むのとそうでないのとでは、対応も結果も違ってくるはずです。自分とは違う相手の事情、心情を自分なりに想定して臨めば、さらに違った結果が得られるのではないでしょうか。

相手の事情・心情を読むのに長けた人とそうでもない人

この想定は、もちろん当たるとは限りません。外れることのほうが多いかもしれません。相手にもよりますが、人を読むということはそんなに簡単ではありませんよね。

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一方で、ドンピシャでないにしても、相手の事情・心情を読むのに長けた人とそうでもない人がいるのは事実です。空気が読める、読めないということがよく言われます。あの人は空気が読めないから、などと言いますね。

「空気を読む」のは場の雰囲気を読むことを指すので、人のバックグラウンドを考えることとは似て非なるものですが、通じる部分はあると思っています。少なくとも心情を読むということは、空気を読むということとも重なりそうです。

相手の事情を読むのが苦手な人は、打ち合わせや交渉の席について、相手の思わぬ反応に驚くことが少なくないでしょう。最悪、相手を怒らせてしまって話がまとまらないということも起こります。

完璧ではなくとも、相手を読むことに長けた人にこのようなことが起こる頻度は少なく、それまで論理的に詰めてきた内容が伝わって実を結ぶ確率を高めることができます。空気も人も、読めないよりは読めたほうが得なようです。

人を読むことは、このような打ち合わせや交渉事の場数を踏むことで鍛えられる側面もありますが、物語や小説を読み、登場人物を文字どおり「読む」こともよい訓練になります。私は小学校の国語の時間、物語文の読解を通じてこの訓練をしてもらったと思っています。これから、構造学習的な物語の読解を通じて、人を読むことの疑似体験をしていきましょう。