仕事ができない人は「たった一言」が添えられない

「本日の議事録は、明日の午前に作成いたしますので、このまま帰宅してもよろしいでしょうか?」と言うのが正解です。上司から、議事録の作成について聞かれる前に言うのがポイント。相手が気になっているであろうことを先回りして言うのが、気の利いた一言の神髄です。

ビジネスでは、さまざまなルールや礼儀があります。目上の人と接する場面では、細心の注意が必要です。

特に間違いやすいのが、自社の上司とクライアントを引き合わせる時です。あなたにとっては両者ともに目上の立場。どちらをどちらに紹介するのが先か、迷った経験がある方もいることでしょう。

この場合の基本的なルールは、“立場が一番上の方に対して、立場が下の人を紹介する”ということ。つまり、立場が上の人に最も早く情報をお知らせする、ということです。ここでは、クライアントに上司を紹介するのが先なので、「○○様、部長の△△でございます」が正しい紹介の仕方です。

“立場が一番上の人を先に紹介する”と勘違いしていると、「部長、○○様でございます」と言ってしまうので注意が必要です。ちなみに、「ございます」は「ある」の丁寧語であって尊敬語ではないので、クライアントのことを紹介する時には使えない言葉です。

「おかげ」の一言が良好な人間関係を築く

上司にクライアントを紹介する時は、「部長、こちら○○様でいらっしゃいます」と言い、「○○様には今回、△△の企画でお力添えいただいており、大変お世話になっております」と付け加えるといいでしょう。ただ単に「お世話になっている方です」という紹介では、定番すぎて特別感がありません。具体的に伝えるのがキモです。

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また、「ご協力いただいている」ですと、やや対等なニュアンスになるので、「お力添えいただいている」「ご尽力いただいている」という言葉を選ぶ方が適切です。

もし可能ならば、「おかげさまで、スケジュール通りに進行しております」「おかげさまで、ずいぶん学ばせていただきました」など、「おかげ」についても言及すると、より特別感が伝わります。クライアントにとっても、印象のいい紹介になるはずです。

「おかげ」の一言は、とても重要です。例えば、一つのプロジェクトが終わって会うことがなくなったクライアントに、時間をおいてばったり会った時。「その節は、大変お世話になりました」に続けて「おかげさまで、その後も順調に進めることができています」と言うと、“その節以降“もいい縁が続いていると感じてもらえます。それが、自分の「おかげ」だとしたら、誰だって悪い気はしません。

ビジネスにおいては、正しい言葉遣いとともに気の利いた一言を付け加えることが、良好な人間関係や好印象につながるものなのです。