やるべきことは、なるべくはやく手をつけて、余裕をもって終わらせたい。
そう思う人は多いと思います。しかし「言うは易し、行うは難し」で、実行しようとすると難しい。
「今度こそ、早めに手をつけて余裕をもってやろう」と決意してもけっきょく……なんて経験がある方も少なくないと思います。
今回、100人以上の「学びの達人」たちが書いたベストセラーを精読した結果、勉強を計画的に進めていくコツがあることがわかりました。
「勉強するぞ」と決意しても、モチベーションが高いのは最初だけ。けっきょく勉強が続かない、といったことは、忙しい中で勉強している人の多くが抱えている悩みのようです。
なぜ、私たちはギリギリになるまで本気になれないのでしょう。そしてなぜ、最初は高かったはずのモチベーションがいつの間にか下がってしまうのでしょうか。
勉強法のベストセラーには、その要因として、いくつかの要素が紹介されていました。それをまとめると次の3つが挙げられます。
ここからは、この3つへの対処法を考えていきます。
夏休みの宿題と違って、大人の勉強には「目標」や「締め切り」がそもそもありません。教養を身につけたい、社会人として身につけておきたいといった内発的な学びや独学であればなおさらです。
それに対して、勉強の達人の多くは、目標の明確化と、目標達成までの行動計画(いつまでに何をやるのか)の必要性を説いていました。
受験日のはっきりしている資格試験に限らず、どんな勉強においても、期限と達成目標を決めておかないと、勉強ははかどりません。
また、勉強法のベストセラーの中には、行動計画を立てることが脳の力を最大限に発揮させることにつながると書かれているものもありました。
「いつ、どこで、どのようにしてゴールに到達するか」「いつまでに、どんな能力をつけるのか」という計画を立てたほうが目標達成の見込みが高くなるのは間違いありません。
では、計画を立てる際にはどのようにしたらよいのでしょうか。
まず大切なのは、現在を起点に「今の自分にできること」を積み上げるのではなく、「ゴール(目標)から逆算して考える」ことです。ゴールから逆算して、「ゴールと現状の差」「差を埋めるためにやるべきこと」「残された日数」「いつまでに、何をやるか」を明確にしていきます。
このとき、ポイントとなるのは、「大きな目標」のほかに、なるべく細切れにした目標を立てること。そして、その細切れの目標にも期限を設けることです。
ゴールまでの距離が遠すぎると、到達するまでの道筋がわからなくなって、途方に暮れます。やる気も続きません。そこで、最終目標に向かう途中に中間目標(小さな目標)をいくつか設定します。