職場で必要とされるにはどうすればいいのでしょう? 圧倒的な才能や能力があるならそれが一番ですが、なかなかそうはいきません。
私は「職場で生き残るためにどうしよう?」と考えたとき、まずは「職場で必要とされる人」がどんな人なのかを考えました。特別な才能がなくても必要とされる人……。それは「今、人手が足りない仕事をしてくれる人」だと思いました。
ゲーム会社で言えば、「雑誌にメインで絵が載るような、誰もが憧れる花形」以外の仕事をする人です。
正直なところ、メインの仕事に就ける人は本当に一握りです。つまり、圧倒的に多いのはそれ以外の仕事をする人です。中心から離れるほどやりたい人が減って、イヤイヤやる人が増えていきます。また、繁忙期も人手は足りなくなります。そういうときは、いくら人数がいても困りません。
だから狙い目は、そういった人が足りないポジションです。まずは長い目で見て、「空いている席」を探すわけです。
職場で足りない人ってどんな人でしょう?
私が選んだのは「スピードと汎用性」でした。急ぎの仕事のときや締め切り直前に、作業スピードの早い人がいればとても助かります。すべての作業に対応できなくても、一部分だけでも時短できるというのは、忙しいときにはかなりのメリットです。汎用性も対応できる作業が多ければ、手が足りないところに入れるので、分担作業が必要なときに役立ちます。
職業により人手が足りない部分は違うと思いますが、おそらくそういった仕事はどんな職場でもあるはずです。大抵は地味で面倒で目立たない作業です。特別な才能もいらないし、時間をかければ努力で補えるものです。「今、これをやってくれる人がいればいいのに……」と思ったとき、「それをやるよ」って人がいたら、一緒に仕事をしたいと思いませんか?
可能であれば、「空席」はできるだけ自分が苦にならないことから探すのがいいと思います。やりたくないことをずっとやっていたら気持ちが疲れてしまうし、いつかはつらくなります。
例えば、料理を作るという作業の中には「作る」ことも「後片付け」もありますが、「作るのが好き」な人もいれば、「作るのは苦手」という人もいます。また、「作るのは好きだけど後片付けが面倒」という人もいれば、「後片付けは苦にならない」人もいます。苦にならないことって、そういった日常の中にヒントがあったりします。
突然ですが、私はよく「デザイナーの仕事を続けるにはどうすればいいですか?」という質問を受けます。
その答えは、何を言ってるんだ?と思うかもしれませんが、とにかく「続けること」なんです。何があっても続けること。ずば抜けた才能があっても、辞めてしまう人は結構多いんです。途中でやめなかった人が、ずっとその仕事を続けられる人なんです。
仕事って、続けていけば信頼が生まれます。何かを安心して任せられる人とは、この先もまた一緒に仕事をしたいと感じます。長く一緒に仕事をすれば、お互いを知る機会が増えて、自分の夢や本当にやりたかった仕事のことを話すこともあるかもしれません。