そもそも、間違い探しをし、文句を言う人の「本当の動機」は、「人の注意を自分に向け、同情を買いたい」「認められたい」「誰かと共感しあい、つながりたい」という人間の「根源的欲求」です。
不満を漏らすことで、相手や周囲の注意を惹きつけることに快感を得ることで「ネガティブ中毒」になりやすいというわけです。
ひとたびネガ思考に陥ると、パターンが定着してしまいがちで、そうした「ネガティブ思考サイクル」は、問題解決や認知機能をつかさどる「海馬」にダメージを与え、結果として、感謝や幸福感などを覚えにくくなるそうです。
負の影響は本人だけにとどまりません。その周囲の人にも、甚大なダメージを与えます。
人は脳内の「ミラーニューロン」によって、接する人々の気持ちを感じ取り、マネをするようにできており、「文句ばかりの人」のそばに行くだけで、その気持ちに「感染」してしまうのです。
下手をすれば、そうした人ばかりと接すると、自分までが「文句野郎」に転身してしまうかもしれないというわけです。
では、そういった人たちにつける「薬」はあるのでしょうか。つまり、「ネガティブ思考」の人を、「ポジティブ思考」に一夜で変えてしまう魔法などあるのか。結論から言ってしまえば、「ありません」。
そもそも、この傾向は幼少期から形作られ、「クレームを言うことで、人の注意を惹きつけること」が目的なので、問題は見つけるものの解決そのものにそれほど興味はなく、建設的な議論にはなりません。
また、本人に「自分の『ネガティブ思考』にそれほど自覚がない」。ですから、その相手をするのは、骨も折れるし、心も折れるものなのです。
では、どうやって切り抜ければいいのでしょうか。「ネガティブ思考」の人からの切り抜け方として、7つの「神対応」を実践してみましょう。
愚痴や文句ばかり言う人に対してはつい、「文句を言ってもしょうがない」「たいしたことない」「考えすぎ」などと否定をしたくなりますが、それはNG。
というのも、彼らの目的は「話を聞いてもらって、認めてもらうこと」だからです。否定されれば、さらに頑なになり、「次なる文句のタネ」を見つけてしまうことになります。
2番目の「神対応」は「話を聞いてあげる」ことです。
「言い返す」「否定する」では、文句がさらに長引くだけ。だから、とりあえずは「話を聞いてあげる」もしくは「聞いたふりをする」ことが必要です。
「ひどいよね」「その人は許せないね」など、本当に自分が共感しないのに、相手の文句に乗って、一緒に誰かの批判や攻撃をする必要はありません。
相手からすると、「自分の主張が正当なものと認められた」ということになり、言い続けるべきだと思い込んでしまうからです。
話を聞いてあげ、共感してあげれば、それで満足する人もいる一方で、なかなか文句が止まらないという人もいます。
そういった人には、「それは当人同士で話しあわないとね」「私にはわからないな」「私は違う考え方かも」など、「同意しない点」をしっかり伝え、別の話題へとギアチェンジしてみましょう。
頭ごなしに否定する代わりに、相手に自分で結論を導き出してもらうために、「質問を投げかける」というやり方もあります。
「では、どうしたらいいと思いますか」「どうしたいの」などと自分なりに考えてもらうような「問いかけ」をしてみてもいいでしょう。