「幅広い世代」が働く企業の生産性が実は高い訳

年齢層が異なる従業員同士が働くことで、お互いそれぞれ学べることもある(写真:PIXTA)

新型コロナウイルスによって多くの企業、そして従業員はこれまでにないほどの危機に直面しています。事業環境が大きく変わる中で、テクノロジーを中心とした新たなスキルの習得もその重要性を増しています。今回は、さまざまな年齢層が働く企業において、すべての従業員がそれぞれに必要なスキルを取得する方法をコーナーストーンの経営者ブログより紹介します。

最大5世代が隣り合って働いている

業務を支えるテクノロジーは絶えず進化していますが、同時に職場の年齢構成にも変化が起きています。アメリカでは55歳を超えても仕事を続ける人口が増加し、1つの企業内に沈黙の世代からZ世代まで、最大5世代が隣り合って働いています。仕事のハイテク化についていくためには、これらのすべての世代に何らかの形での新たなスキルの習得が必要になります。

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結局のところ、企業や従業員が真の速応性を実現するためには、継続的に学習し、将来達成されるべきビジネス目標に関連して高く求められるスキルを身に付けるしかありません。ところが、さまざまな世代の従業員に新たなスキルを教えるためにどうすればいいのかについては、矛盾する情報があふれています。固定観念にとらわれ、現実を見誤っているマネジャーもいます。

高年齢の従業員は新しいテクノロジーに適応できないと考えていては、マネジャーが従業員の可能性を奪うことになりかねません。沈黙の世代やベビーブーマー世代の従業員は、雇用者が考えているよりもテクノロジーに精通しているかもしれません。

実際ベビーブーマー世代の82%が、1つ以上のSNSアカウントを持っており、ドロップボックスの調査では、55歳以上の従業員は、若い世代の従業員よりもストレスを感じることなく、職場で新しいテクノロジーを使用できている可能性も指摘されています。

さらに、テクノロジーの難しさそのものよりも、高年齢の従業員はテクノロジーの使い方を習得できないという固定観念のほうが、新たなスキルを学ぶ従業員に対する弊害かもしれません。

高年齢従業員の中には、単純に対面学習のほうがいいという人もいるだろうことは確かに間違いありませんが、それは新しいテクノロジーを習得する意欲がないということではありません。テクノロジー志向は、適性よりも慣れの問題だからです。

どの世代にも「得意分野」がある

「デジタルネイティブ」とも呼ばれるミレニアル世代やZ世代の従業員は、人生のほぼすべての時期をインターネットやスマートフォンのアプリとともに過ごしてきました。これらの世代の従業員は、社会生活のかなりの部分をデジタルで賄っているかもしれません。実際、Z世代の42 %が、対面よりもスマートフォンを介して人とつながる方が多いと回答しています。

ところが、そうしたデジタル時代の考え方が、仕事の成功に求められる唯一の条件というわけではありません。過剰にテクノロジーに依存すれば、チームワークや対人コミュニケーションなどのソフトスキルが損なわれる可能性があります。

とはいえ、学ぶ準備や意欲がこの世代にないということではありません。多くの時間をオンライン上で過ごしているためか、Z世代の従業員の約83%が、職場では対面でのコミュニケーションのほうを好むため、適切にトレーニングすれば、ソフトスキルを育成できる機会はたくさんあります。

人によって学びの方法は異なるため、新たなスキルの習得戦略を成功させるには、柔軟性が鍵となります。選択肢を増やすことで、従業員はスケジュール、好み、適性、得手不得手に基づき、自分に合ったトレーニングを受けることが可能になります。トレーニングの最適化に特に重要な要素が、マイクロラーニングとフローの中での学習です。