一般的に4月に新年度を迎える日本では、1月から3月が携帯電話市場で最大の商戦期になる。新生活を迎えるにあたって、学生が新たに携帯電話を持ったり、新社会人が端末を新しくしたりといったことが多いからである。学生やフレッシュマンをターゲットにした学割サービスが前年の12月ぐらいから始まるのも、そのためだ。この時期にiPhoneを買い替えようと思っている人も多いだろう。
ところが、今年の春商戦は例年と大きく様相が異なっている。2019年10月1日に施行された改正電気通信事業法によって、スマートフォンへの端末購入補助が大きく制限されたのがその理由だ。
通信契約を伴う場合の割引は2万円までと定められるのと同時に、端末購入補助を禁止する分離プランが大手キャリアに義務づけられた結果、見かけ上の端末価格は大きく上がってしまった。iPhoneも例外ではなく、大手キャリアではiPhone 11が8万円台後半から、iPhone 11 Proに至っては12万円を超えている。
では、iPhoneを安く買う手段が完全になくなったかというと、必ずしもそうではない。以前のように、番号ポータビリティを使うとキャッシュバックまでもらえるといった乱売は鳴りを潜めたが、ある程度端末代を節約する手はある。ここでは、春商戦に向け、iPhoneやiPadを割安に入手する裏技を紹介していこう。
iPhoneの価格は店舗や取り扱うキャリアによって異なるが、一般的に、アップルが直接運営するApple Storeのほうが割安だ。例えば、iPhone 11の64GB版の場合、ドコモが8万7120円、auが9万0720円、ソフトバンクが8万9280円なのに対し、アップルでの価格は8万2280円。5000円から8000円程度、キャリアが販売しているiPhoneは高いことがわかる。金額は異なるが、iPhone 11 ProやiPhone 11 Pro Maxも傾向は同じだ。
そうは言っても、アップルではSIMフリー版しか買えないのでは……と思っている向きもあるだろう。機種変更のついでに料金プランを変更したり、キャリアの用意する手厚い補償サービスに入りたいという理由で、キャリア版を選ぶユーザーは多い。機種変更などが条件のキャンペーンも、端末を単体で購入するSIMフリー版のiPhoneには適用されない。
ところが、実はApple Storeでも、キャリアの契約手続きをすることができる。Apple Storeが各キャリアと代理店契約を結んでいるため、キャリアショップに近い手続きが可能。料金プランや補償サービスなども、その場で申し込むことができる。
キャリア契約をすると、SIMロックがかかってしまうのは難点だが、SIMロックは一括払いであれば即時、分割払いであっても購入後101日目以降に解除可能。この点も、キャリアショップで購入するのと変わりはない。
しかも現在、Apple Storeでは、キャリアの契約を結ぶことで割引を受けられるキャンペーンが実施されている。対象になるのはiPhone 11とiPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro Maxの3機種。
iPhone 11の64GB版の場合で7万3480円になり、SIMフリー版の価格と比べると、9000円程度安くなる格好だ。iPhone 11の販売価格が最も高いauとの比較では、約1万7000円安くなっている。オンラインのApple Storeは対象外で、店舗のみのキャンペーンだが、番号ポータビリティの利用などの面倒な条件はないため、気軽に利用できる。