――4月15日の広島東洋カープとの一戦では、田口投手が手痛いサヨナラホームランを喫してチームは敗れました。この一戦については、どう見ていますか?
髙津 僕自身もずっとクローザーを務めてきたので、あの日の試合について「なぜ、ああいう結果になってしまったのか?」ということは手に取るように理解できます。あの日の試合後、田口が「勉強になりました」と僕に言っていました。あの結果を踏まえて、「あぁ、こうしなくてはいけなかったんだ」「こうしたらいけないんだ」と勉強してもらわないと、そこからの進歩はないので、こういう苦い経験も、非常に責任の重いポジションだけにぜひいい経験としてとらえてほしいと思って見ていました。
――「手に取るようにわかる」ということについて、詳しく教えてください。
髙津 あのイニングの初球から、「こんな事を考えながら投げているんだろうな」って理解しましたし、結果についても、「そりゃ、こうなるよな」というのも全部わかりました。あのイニングは、先頭の上本(崇司)選手に対してのカウントがスリー・ツーとなりました。でも、そこでフォアボールを与えずに三振に抑えた。その場面などは「よく踏ん張ったな」と思いました。あそこで、先頭打者にフォアボールを与えてしまうと、次の菊池(涼介)選手の場面で「送りバントで来るのか、それとも強攻策でくるのか」など、いろいろ考えることも出てくる。あの場面はよく踏ん張ったと思います。
――9回は、先頭の上本選手、続く菊池選手をともに三振に仕留めてツーアウトとなりました。しかし、その後の代打・堂林翔太選手にはストレートのフォアボール。続く秋山翔吾選手への初球がホームランとなり、サヨナラ負けを喫することになりました。
髙津 あの場面で、堂林選手が代打に出てくることはわかっていました。これは結果論になってしまうけれども、「二死走者なし」となったことで、田口の心境が変わったというわけじゃないけど、また別の意識が芽生えてしまったことは確かでしょうね。これまで以上にその意識が強まったというか僕自身も経験があるけど、つい「よし、ツーアウトだ」と思ってしまう。そうすると「絶対にホームランは打たれちゃいけない」という気持ちがさらに強くなってしまった結果、それが裏目に出てしまったんだと思います。