――持って生まれた性格とは別に、勝負師としての心構えや厳しさというのは、意識的に持つことは可能なのでしょうか?
高津 どうなんでしょう。ただ、実際マウンドに上がったときにギリギリのところで相手と勝負をしなくちゃいけない。相手も必死に向かってくる中で、本当の自分の力を出して結果を出すためには、勝負師としての厳しさは絶対に必要になってくると思います。そういう舞台を経験すれば、次第に備わってくるんだと思いますね。グランド上での優しさは絶対に必要ないと思いますね。
――さて、青木、内川両ベテラン選手の自宅待機は痛手ではありましたが、ついに新外国人の来日のめどが立ち、ようやく思い描いていたオーダーが整い始めますね。昨年の連載でも、「ムードを変えられるのは新しい人」とおっしゃっていました。
高津 その思いは今も変わらないですね。開幕9戦において、3戦目にはプロ2年目の奥川(恭伸)が、そして6戦目には山野(太一)が先発しました。9戦目は21歳の金久保(優斗)が先発していいピッチングを披露してくれました。移籍したばかりの田口(麗斗)も東京ドームでは古巣相手に好投を見せてくれた。この辺りは、チームにとってもとてもいい刺激になっていると思います。
――当然、他の選手の刺激にもなりますよね。
高津 なってくれないといけないですね。別に個人名は挙げないけれど、正直、なかなか結果が出ずにくすぶっている選手もいます。そういう彼らの刺激になってほしいです。「なぜ、自分じゃなくて、彼らなのか?」という思いは絶対に忘れないでほしいし、新戦力が入ってきたことを自分への刺激にしてほしいですね。
――個人名を挙げていただかなくても構わないですが、原樹理投手や高橋奎二投手の顔を思い浮かべるヤクルトファンは多いと思います。
高津 その辺はノーコメントということで(笑)。ただ、彼らに関しても、技術面の課題というよりは、自分自身のモチベーションだったり、気持ちの持ち方であったり、そういう部分が大切になってくると思います。今のチーム内における自分の立ち位置。そこはきちんと理解した上で、必死になってほしいですね。
――まだまだシーズンは始まったばかりです。依然として、大変な状況は続きますが、さらなる健闘を期待しています。
高津 どうもありがとうございます。ぜひ、神宮球場で、あるいはテレビの前で、引き続き熱い《応燕》をお願いします!