上司1年目は“仕組み”を使え!

日本の多くの組織で「効率的に人材が育っていない」理由

2022.08.04 公式 上司1年目は“仕組み”を使え! 第31回
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成績が振るわない、メンバーが互いに無関心でいっさい協力し合わない、仕事を作業と思っており楽しそうに働いていない、離職者が多く人の入れ替わりが激しい……。これらは日本の多くの職場で見られる光景です。こうした環境に疲弊し、働くことに希望を見出だせない人が増えています。
この絶望的な状況を変えられる唯一の方法が「チームづくり」です。チームづくりがうまくいけば、すべてが劇的に変わります。部下も会社もあなた自身もラクにする、チームづくりのノウハウを指南します。
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「人ザイ・マトリクス」で全体像を設計する

1つクイズをしましょう。「人ザイ・マトリクス」という仕組みについてのクイズです。

部下を「共感度」と「発揮能力」の2つの軸で考えると、縦軸を共感度、横軸を発揮能力としたマトリクスができあがり、4種類に分類できます。

(1)共感度も発揮能力も高い
(2)共感度は高いけど、発揮能力は低い
(3)共感度は低いけど、発揮能力は高い
(4)共感度も発揮能力も低い

この4つに分け、人ザイの「ザイ」の漢字を当ててみようという問いです。人ザイといえば、普通は「人材」と書きます。この「材」以外に、「財」「在」「罪」の漢字を当てるなら、どこにどの漢字が入るでしょうか?

4つの人ザイの特徴

では、それぞれについて見ていきましょう。

まず、わかりやすいところからいきます。(1)の共感度も発揮能力も高い人ザイからです。「共感度も発揮能力も高い人」は宝のような存在ですから、「財」が入り、「人財」となります。これは、私がおこなっている研修会でもほぼすべての人が正解します。

(2)の共感度は高いけど、発揮能力は低い人ザイはどうでしょうか? ここには「材」が入ります。採用したばかりの新人をイメージしてもらうとわかりやすいでしょう。そもそも採用とは「こんなことをしてほしいから一緒に仕事をしませんか」と募集して採用にいたるわけですから、いわば「この指とまれ」です。やるべき仕事に共感しているから応募するのであって、採用段階で共感度が低いはずはありません。
新人の発揮能力は低いのが普通ですから、「人材」ということになります。

(3)は飛ばして、(4)に行きましょう。共感度も発揮能力も低い人ザイ。「罪」と考えた人が多いのではないでしょうか。共感度も発揮能力も低ければ、これはもう手のつけようがないということで罪の字を当てがちですが、違います。
ここには「在」が入ります。在るだけ。共感度も発揮能力も低い人というのは、周りの人への影響力がありません。存在感が薄いのです。
したがって、罪深いほどの影響力もなく、ただ在るだけ、それが「人在」です。

そして最後、そう考えると(3)は何が入るか。もうおわかりだと思いますが、「罪」です。(3)は、発揮能力は高いのに、共感度は低い人ザイです。発揮能力が高いということは、周りへの影響力が大きいわけです。それにもかかわらず、あなたに共感してくれていないのです。
(3)の「人罪」は、あなたの組織において、非常にやっかいな存在になります。まさに罪深い部下と言えるでしょう。

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プロフィール

高野俊一
高野俊一

組織開発コンサルタント。
1978年生まれ。日本最大規模のコンサルティング会社にて組織開発に13年関わり、300名を超えるコンサルタントの中で最優秀者に贈られる「コンサルタント・オブ・ザ・イヤー」を獲得。これまでに年200回、トータル2000社を超える企業の組織開発研修の企画・講師を経験。
指導してきたビジネスリーダーは累計2万人を超える。
2012年、組織開発専門のコンサルティング会社「株式会社チームD」を設立、現代表。
2020年よりYouTubeチャンネル『タカ社長のチームD大学』を開設。2023年6月現在、チャンネル登録者約3万5000人、総再生回数380万回。
2021年より、アルファポリスサイト上にてビジネス連載「上司1年目は“仕組み”を使え!」をスタート。改題・改稿を経て、このたび出版化。
著書に『その仕事、部下に任せなさい。』(アルファポリス)がある。

著書

チームづくりの教科書

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高野俊一 /
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その仕事、部下に任せなさい。

その仕事、部下に任せなさい。

高野俊一 /
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