友達0のコミュ障が「一人」で稼げるようになったぼっち仕事術

「ほめて! かまって! わたしを見て!」止まらない承認欲求から逃れるたった一つの考え方

褒められるために頑張ったわたしの末路

会社での大コケ経験から、人からの褒められに命を委ねるのは危険だ、と身をもって認識したわたしは、人から褒められなくても生きていく方法を探し始めました。

具体的には、自己啓発本を読みあさって片っ端から実践する、週1回心理カウンセリングを受ける、ということをしました。
しかし、本に書かれていた通り「ありのままの自分で大丈夫」と毎日口に出して唱えても、「生まれただけで価値がある」とカウンセラーの先生に言われても、紙に今日できたことを5つずつ書いても、毎朝鏡に向かって笑顔を作っても、ネガティブな考えをポジティブに言い換えても(リフレーミング)、どうしても、心の底では「ありのままのお前で良いわけねーだろクズが」と思うことをやめられませんでした。

一番キツかったのが食事でした。わたしも生き物なので時間が経つとお腹が空くのですが、お腹が空くことに罪悪感を覚えてしまうのです。「何の役にも立たない自分が、一丁前に人様と同じようにものを食べるなんて、社会に甘えすぎている」とか。「わたしに食べられるこの鶏肉がかわいそう」とか。それでも、食べずにはいられない自分が、もう本当に嫌で嫌で仕方なかったです。

もしかしたら上手くいかなかったのは、当時は劣等感が強いだけでなくうつ病も入っていたせいかもしれません。もう少し精神的に健康な状態なら、上記の方法でも改善すると思います。現に、今のわたしはカウンセリング以外のことを実践しており、効果も実感しています。

止まらない承認欲求から逃れるたった一つの方法

一番きつくて何をやっても自分を認められなかった当時の自分に、効果があった方法を紹介します。
それは、放っておくことです。

うつで休職している間に、気づいたことがあります。
それは、評価がもらえなくても、認められなくても、会社に行けなくなっても、自分のことを嫌っている人がいても、友達も恋人もいなくてひとりぼっちでも、自分で自分を認められなくても、とりあえず、食べて寝て起きることはできてるな……ということです。

認められなくても死なない。
これは、自分にとっては発見でした。もちろん知識としては知っていたのですが、別に、そんな必死にがんばらなくても生きてられるな、ということを実感したのはこの時が初めてだったと思います。ゆっくり、身体を使って学習していった感じ。

人から褒められたり認められたりする必要もないし、もっというと、別に、必死になって自分で自分を認めてあげる必要もない。そんなことしなくても、心臓は動いてるし、お腹は空くし、呼吸だって勝手にしちゃうし、不眠症でもいつかは眠くなります。

こうして文字にすると当たり前すぎて馬鹿馬鹿しいほどですが、わかっているようで、身体では理解していない人も多いのではないかと思います。いま、人に認められなきゃ、あるいは、自分を認めてあげなきゃって、と必死になっている人に、なにか伝わるものがあれば幸いです。

さて、今回で本WEBコラムもいよいよ最終回です。本当は24回まででしたが、ご好評につき三ヶ月延長させていただけました。ありがとうございます。こうして、自分の声をたくさんの人に届けられる機会をいただけたこと、光栄に思っています。書籍やコラムでつづってきたことが、みなさまにとっての気付きや行動のきっかけになればこんなに嬉しいことはありません。

今回紹介したような、コミュ障向けのハックをまとめた書籍『友達0のコミュ障が「一人」で稼げるようになったぼっち仕事術』が、大好評発売中です。

コミュ障で本当に辛い思いをしている人たくさんいると思います。私も同じように悩んで、苦しみ続けてきた人間の一人なのでよくわかります。完璧じゃないですが、克服できたこともあるので、同じように悩んでいる皆さんに、多少は参考にしてもらえるところもあると思います。ぜひ一度、お手にとって読んでみてください。

末岐碧衣『友達0のコミュ障が「一人」で稼げるようになったぼっち仕事術』書籍の詳細はこちら

まとめ

・劣等感の強い人は「褒められるために」頑張ってしまいがち
・「褒められるために頑張る」はいつかダメになる
・「認められなくても死なない」と気づこう

 

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プロフィール

末岐碧衣
末岐碧衣

コミュ障で友達0人のシステムエンジニア。早稲田大学理工学部卒業。新卒でITコンサルティング企業に入社したものの、コミュ障が爆発し、人間関係が崩壊する。うつにより休職した後は、コミュ障の自覚を持ち、チームプレイを避けて一人でできる仕事に専念するようになる。2015年フリーランスとして独立。一度も営業せず、独立前の年収3倍を達成。

著書

友達0のコミュ障が「一人」で稼げるようになったぼっち仕事術

友達0のコミュ障が「一人」で稼げるようになったぼっち仕事術

末岐碧衣 /
「コミュ障」で「友達が0人」という、社会にうまく適応できない著者が、多くの...
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