「会社の人間関係が苦手だ」「誰かといると、それだけで疲れてしまう」「面倒な人に関わりたくない」「会社に頼らず、一人で稼ぎたい」――そう考えつつもずっと我慢し続けている、いわゆる「コミュ障」さんは少なくありません。そうした方々に向けて、コミュ障でもぼっちでも、無理せず一人でも稼げるようになる技術「ぼっち仕事術」を指南します。
この連載をまとめ、大幅に加筆・改稿した、ビジネス書『友達0のコミュ障が「一人」で稼げるようになったぼっち仕事術』(末岐碧衣)が、アルファポリスより好評発売中です。
仕事で、面接で、人間関係で失敗し、
「あ゛ぁ~~~~~~、やっちゃったなぁ~」
って叫んで、暗くてなま温かくて湿った場所でうずくまりたくなる瞬間ってありますよね。失敗は人間誰しもあると思いますが、コミュ障ならなおのこと、手痛い失敗を死ぬほど繰り返してきたことでしょう。
今回は、やっちゃったあとの立ち直り方をご紹介します。
「やっちゃった」って何度も思い出すことを、反芻思考と呼びます。反省することは大切なことですが、何度もそれをやる意味は皆無です。そのデメリットを、3つのMにまとめてみました。
一つ目は、とにかく時間の無駄ということ。「やっちゃったなー」ってずっと思っていても何も解決しないんですよね。ひたすら気持ちが沈んでいくだけ。ただ、無駄だからやめろって言われてもなかなかやめられないのが反芻思考です。私もこれでうつやっちゃったのでよくわかっています。
では、止めるためにどうすれば良いのか。これはとても難しいのですが、まずは考えちゃってもいいので、「また無駄なことしてんなーわたし」と思い出す習慣をつけるのが大事です。
二つ目は、ムカつくです。ムカつく相手は、自分だったり他人だったり環境だったり色々ですが、マズいのはその怒りがどんどんエスカレートしていってしまうこと。
何度も何度も、過去の失敗を脳内で映画みたいに再生して、スローモーションで見てみたり、違うカメラワークで見てみたり。繰り返すほど、そのときの映像が鮮明になっていきます。
たとえば、怒ってる人の表情や語気がきつくなっていったり、その時周りで見ていた人がからかうように笑っていた気がしてきたり。続けると、どんどん負の感情が強くなり、胸にどす黒いものが溜まっていきます。本当に身体によくないです。
三つ目がまた失敗してしまうこと。グルグルと失敗のことを考えていると、目の前のことに集中できなくなります。そして集中できないと、また失敗する可能性が高まります。
同じミスを何度も繰り返す人って、仕事デキない感がめっちゃ出ちゃいます。自分もつらいし、周りも迷惑だし、本当になんにも良いことないんですよね。
仕事のできる人でも失敗はします。でも何が違うかと言うと、失敗してもすぐに立ち直るし、同じミスを繰り返さないのです。
いつまでも落ち込んで、暗い表情。一時なら周囲の人も心配してくれたり、反省してるんだなって思ってくれるかもしれませんが、ずっとだと、次第に人をイラつかせてしまいます。
しっかりと反省して、同じミスを繰り返さないようにやれることやったら、パッと切り替えてくれたほうが周りの人も気持ちが良いものです。
あなたが失敗して「やっちゃった」と落ち込んでいるとき、多くの場合、周りの人は、そもそもあなたがやっちゃったことに気付いてすらいません。
たとえば職場の朝礼で、毎回、誰か1人が持ち回りでネタを発表していくというルールだとします。
あなたは、今回は担当ではないので朝礼を聞いているだけ。前に立って喋っている人はちょっと緊張しています。そして緊張のあまり、用意してきた原稿を読むような感じになってしまったけど、朝礼はそのまま滞りなく終わりました。あなたとしては、なんかあんまり聞いてなかったけど、とにかく終わったと。
昼休憩、あなたは朝礼でしゃべっていた人をランチに誘います。その人は、なんだか元気がありません。聞くと、さっき朝礼で大失敗した、と落ち込んでいます。この世の終わりみたいな顔で「用意してたこと半分飛んじゃった」とかなんとか。
あなたはどう思いますか? きっと「そうだったの? 全然気づかなかったよ、大丈夫だったよ」といった感じではないでしょうか。
他人の一挙手一投足を観察して批判するという物好きな人は少ないです。いないと言っていいくらい。みんなそれぞれ、自分のことで忙しいのですから。