頑張らないでやる気を出すコツ

「そのうち」は一生実現しない

2018.05.28 公式 頑張らないでやる気を出すコツ 第6回
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「そのうち」をやめれば「達成感」が得られる

こんにちは、感情コミュニケ―ション術専門家の沖本るり子です。今回のテーマは、「そのうち」という考えを捨てることの大切さについてです。「そのうち」と思ったままで実行していないことは、多かれ少なかれ誰にでもあるはずです。そうした「後回し」にしていることを「そのうち」で終わらせてしまうかどうかは、自分の“やる気”に大きな影響を及ぼします。ではどうして「そのうち」という考え方を捨てれば“やる気”が出るのか、その理由をお話します。

ビジネスシーンや日常生活において、「そのうちやろう」と思っていることの多くは、それを実行することが自分にとってプラスになることは分かっていても、「今すぐにやらなくても困らない」ことが多いものです。もともと自分の中での優先順位が低いものなので、無意識に後回しにしてしまう人も多いでしょう。

人間は、他人に厳しく自分には甘いものです。「そのうち」と考えている時点でそのことから逃げているため、「そのうち」が実行されることは、ほとんどの場合ありません。時間に余裕があるときでさえ、どんどん後回しにしていることも多いはずです。実際に皆さんの行動を振り返ってみても、そうではありませんか?

例えば、「そのうち会いましょう」と言われたままになっている人との再会は、なかなか叶わないものです。この場合の「そのうち会いましょう」は「社交辞令」であって、「そのうち」は「その場しのぎ」のために使われているのです。

ところが、「そのうち」と思っていることでも、すぐにやってみると意外と成果が得られることもあります。たとえその行動が些細なことでも、「積み重ねる」ことで大きな成果を得ることができる場合があるからです。仕事に関わる勉強しかり、資料の整理しかり、「そのうち」を「今」に変えることは、その積み重ねによって「達成感」を得ることができるようになるのです。この「達成感」を得る感覚を覚えると、徐々に「そのうち」は減っていきます。

さらに、自主的に行うことで得られる「達成感」は、強制的にやらされたことで得られるものとは全く違います。この「達成感」こそが、自分の“やる気”の源になるのです。そして、この「達成感」を積み重ねていくことが、もっと大きな「自信」に繋がっていくのです。

では、「そのうち」という考えを捨てて、「今」実行するようになるためにはどうすればよいのでしょうか? それには、何についても、まず自分ではっきりとした「期限」を決めることです。「いつまでにやる」「いつから始める」など、何をするかによって決め方は違いますが、とにかく実行するタイミングを明確にするクセをつけるのです。

ただし、あまり極端に厳しい期限を設けると逆効果です。あくまでも「達成感」を得ることが大事なので、実現可能な範囲で期限を設けることをおすすめします。今週中、今月中など、比較的大きなことであれば、今年中でも構いません。いずれにしても、その期限は必ず守ってください。大事なのは、自分に言い訳をして「後から変更しない」ことです。

私が行っているコミュニケーションやキャリアアップの研修でも、参加者が、研修で学んだことを「そのうちやります」と言ったら、「いつやるのか」と必ず質問をします。私は、参加者に考え方を変えてもらうために研修を行っています。「そのうち」では、せっかく学んだことが活かされないので、参加者が「そのうち」と考えた場合には、この話を説明して納得してもらっています。

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プロフィール

沖本るり子
沖本るり子

株式会社CHEERFUL代表。感情とコミュニケーションの上手な活用によって、人と組織を育成する専門家。数多くの企業研修を請け負う傍ら、合計7冊のビジネス書の出版実績も持つ。現在は主に人財育成をテーマとし、中小企業の組織活性化のサポートを行なっている。

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