「売ったら終わり」だと思っている営業マンが多い中、商品やサービスを売った後にまで気にかけてくれる営業マンを、お客さまはかなりの確率で信頼します。ですが実情は、ほとんどの営業マンが売ることばかりに意識がいっているため、アフターフォローをせず、お客さまにはよく思われていないケースが多いのです。
私が営業トレーニングをしている企業の取引先に、同行したときの話です。大きなミスをしている訳ではないのに、あまりいい印象を持たれていない営業マンのAさんがいました。お客さまに詳しく聞いてみると、Aさんは、商品を売る前には、ものすごく親身になって相談に乗ってくれるし、よく足を運んでくれたそうです。
それが、商品を売ってから急に訪問をしなくなり、お客さまからAさんに問い合わせをしても、商品を売る前のように親身になってはくれなかったそうです。販売から1年後など、新しい商品を売りたいタイミングになると現れるということを繰り返していました。あまりにも自分にとって都合がいいときにしか来ないため、Aさんは信用をなくしてしまったのです。
逆に、さほど目立つ感じではない営業マンのBさんがいました。このBさんは、営業の同行で客先を訪問すると、お客さまから「訪問ありがとう!」と、とても歓迎されています。どうやら、他の営業マンは商品を販売するまでは一生懸命でも、商品を販売したら、手のひらを返したように寄りつかなくなる中で、Bさんだけが商品を販売した後も客先に通っていたのです。すぐには次の案件を紹介できないので、お客さまは、申し訳なさそうでした。しかし、何か案件が入り次第、Bさんに声をかけるのは確実です。
商品を売った後に訪問するタイミングは3つあります。ぜひ、効果的に活用して下さい。
1 購入していただいたお礼に伺う
商品やサービスを納入した後、1ヶ月以内に訪問します。できれば、商品やサービスを納入した2~3週間後くらいがいいでしょう。使っていただいた感想を聞きがてら、購入していただいたお礼に伺うイメージです。
購入した商品やサービスを使ってみた結果や感想がすぐに分かることもありますが、実際に使用した人の意見がまとまるには、もう少し時間が必要なケースもあるので、1~2ヶ月後に再度訪問するのがベストです。
アポの取り方としては、「購入のお礼を兼ねて、早速、商品を使ってみてどうだったか教えて下さい!」というような感じがよいでしょう。よほどお客さまが忙しくてタイミングが合わないケースでない限り、まず、断られることはないはずです。
2 商品やサービスを納入後、「問題はないか?」様子を伺う
商品やサービスを納入した後、3ヶ月以内に、2回目の訪問をします。今回は、商品やサービスを使用してみて、「何か問題はないか?」などの様子をうかがいに訪問します。2~3ヶ月ほど経過すれば、会議で情報共有がされたりして、現場から何らかの感想や意見が届いているはずです。数ヶ月使ってみないと分からない商品の状況が分かるはずです。
アポの取り方としては、「ご契約いただいてから数ヶ月経過しましたが、その後いかがでしょうか?」というような感じがよいでしょう。お客さまが忙しい場合でも、「商品を納入後、お客さまの意見をまとめて発表する会議があり、何でもいいので意見をもらえたらありがたいです」と言えば、たいてい会ってもらえます。
3 今後の見通しを確認しに伺う
商品やサービスを納入した後、6ヶ月以内に訪問します。これ以前に、1度も訪問したことがないと、少し警戒される可能性があります。なので、商品やサービスを販売してから、1~3ヶ月の間には最低でも1回は訪問しておくことが大切です。これは、お礼や問題点の確認などの訪問があってこそ成立つタイミングなのです。
ここでは、今後の見通しを伺います。次期モデルを開発しはじめていれば、採用の検討をしてもらえる可能性がありますし、教材のような定期的に使う商品であれば、次年度の採用を検討していただけます。
この3回目の訪問で、やっと次の商品を購入していただくための営業活動をするのがポイントです。
アポの取り方としては、「来年度の計画は、どんな感じでしょうか?」、もしくは「次期モデルの開発状況はいかがでしょうか?」というように、商品の提案をする前提のアポの取り方で問題ありません。商品の採用計画がすぐになかったとしても、何度も定期的に訪問して下さい。
営業マンは、商品を売った後には、力を入れないものだという思い込みがあるため、営業マンがアフターフォローに力を入れると、かなりの違和感があり、評価が格段に上がります。営業マンは、お客さまと信頼関係を深めるためにも、ぜひアフターフォローに力を入れて下さい。
次回に続く