私はこの春新社会人になった、23歳の男性会社員です。
念願だった会社で働きはじめたばかりなのですが、すでに研修やOJTを受けながら仕事をする中で、描いていた自分の仕事像と現実の厳しさとのギャップに、正直心が折れてしまいそうです。
もちろん社会人1年目ということは理解しているのですが、現実に会社に入って職場という環境に身をおくと、果たしてこの中で自分はやっていけるのかと弱気になってしまいます。
であれば辞めてしまえばいいのですが、さすがにそれもよくないという気持ちと、一方で「この会社は自分に合っていないのかもしれない」という、両方の気持ちの中で揺れています。
乗り越えなくてはいけない壁だと言い聞かせてはいるものの、自覚できるほど4月以降、日々覇気がなくなっていく自分に困っています。
こんな私はどう行動するべきなのでしょうか?
営業職(家電メーカー勤務) / 23歳 / 男性
念願だった会社に就職され、この4月より新社会人として働きはじめたとのこと。おめでとうございます。そして、今は働きはじめて2ヶ月目に入り、ひと通りの研修やOJTを終えて、ゴールデンウェークも過ごされたということで、少し自分を振り返る時間ができた様子ですね。
いろいろと不安を感じていられるようですが、これは別の言い方をすれば目まぐるしく変化する環境の中で、少し心に余裕ができた証拠でもあります。本当に辛いときは、不安を感じたり、自分を振り返る間もなく、ただひたすら仕事に専念し時間が過ぎてしまう状況になってしまうものなので、ある意味、今のあなたは正常だといえるでしょう。
おそらく、ここ1ヶ月で職場での仕事の基礎や細かいルールやマナーなど、一気に頭にたたき込まれたのではないでしょうか。あまりの山積みな課題に不安を感じるのも当然です。しかし、この不安を感じているのは、あなただけではありません。あなたと一緒に入社した同期の方も、同じ不安を感じているはずです。
また、今ではテキパキと仕事をこなす先輩方も、実は昔に一度は抱いたことのある不安だと思います。
私も約9年前に就職し働きはじめたとき、あなたと同じような不安を感じました。自分が単純に思い描いていた、社会で働く自分の姿と複雑な現実は全く異なり、何をどうすればいいかも分からず、就職して2ヶ月が経つ頃には、自分の力にも現実の生活にも不安を感じる日々でした。
そんな経験から、私から今のあなたにお伝えしたいことがあります。
それは、みんなそれぞれ辛い思いをしながら働いているということです。
人はその辛さを他人に悟られないようにしているところもあるので、傍からは分からないだけなのです。どんな人でも最初は不慣れなものです。勢いで物事を一気に全部片付けようとは思わず、仕事を進めていくなかで一つひとつクリアしていって下さい。
あなたが掛け算を習得したときのことを思い出して下さい。
最初から簡単に覚えられましたか? きっと最初は暗記する努力をしたと思います。そして気がつけば、必要に応じて自由自在に使いこなせるようになってきたはずです。
仕事も一緒です。今は焦りを抑え、ゆっくり慣れていくことに専念して下さい。もちろん社会人としての基礎を構築する努力は必要ですが、その過程で、あなたが営業なのか接客なのか、どのセクションに配属されるかはわかりませんが、掛け算のように構築した基礎を少しずつあなた風に活用していけるようになるはずです。
今のあなたには、今しか学べないことがあると思います。それは直面する仕事の中にあるのです。学生時代とは違い、簡単には仕事を辞められない環境にあるからこそ、学べることも多いのだと思います。
その中に、「自分にはこんなことができるんだ」「やってみると意外とできた」というような潜在性という名のあなた自身の新な発見があるのです。そして、あなた自身が変化していくのです。これを成長と呼び、その中で「この会社は自分に合っていないのかもしれない」という思いは消えていくと思います。
ちょっと厳しいことを言いますが、ブラック企業に勤めているというような特別な事情ではない限り、「会社は自分に合っていない」と今口にするのはまだ早いと思います。
そんなあなたに伝えしたい言葉があります。
それは、「自業自得」という言葉です。
これは、一般的には悪い報いや結果を受ける意味として使用されていますが、本来は少し違った意味を持ちます。もともとは仏教用語で「自らの行いによって、その報いを得る」ということを意味します。つまり、あなたに照らし合わせて解釈すると、未来を切り開くのは自分自身であるということです。
自暴自棄になっていては、その結果にしか巡り合うことはできません。もう一度気持ちをリセットして未来を切り開くためには、今直面している仕事を1つひとつクリアしていくことが不可欠だと思って、仕事に取り組んで下さい。今は新しい自分を発見する時期です。
明日からまた、胸を張ってハツラツと出勤されるあなたの姿を心より願っております。
協力:寺子屋ブッダ