「人生は思い通りにならない」ということを真摯に受け止めたうえで、もう一つ大切なことをお伝えしたいと思います。
俳人の小林一茶は「はだかにて 生まれてきたに 何不足」という俳句を残しています。これを現代的に言い換えるならば、「生きてるだけでまるもうけ」という言葉になると思います。
この言葉はタレントの明石家さんまさんが大切にされている言葉で、ご息女のIMALUさんの名前も由来しているということで注目されました。
この言葉の背景には、笑顔のイメージの強い明石家さんが、人前では見せない過去のつらい人生経験が関与していることだと思います。
ですが、この言葉から掴みとるべきことは「今こうして生きていることがすべてであり、それ以外に一体何を求める必要があるのか」という自問です。
これは、本来は身軽に生きていけるにも関わらず、知らず知らずのうちにあれこれと「欲」を抱き、自ら重荷を担いで生活をするようになっている人の姿を物語っているのです。
もちろん、これから先の生活は大切です。しかし、今の自分の「いのち」がなければ先はありません。こうして現に今ある自分の「いのち」に深謝して今の生活を大切にすることが、明るい未来へとつながる架け橋となるのではないでしょうか。
そもそも「一寸先は闇」なのですから、先のことを案じて、現に確かな「今」をおろそかにしては本末転倒です。
これまでの人生を振り返ってみましょう。いろいろな不安や苦難があっても、おそらくなんとかなってきたのではないでしょうか。その証拠として「今」があると思います。それは、これからも変わることはありません。物事はなるようにしかならないのです。
最終的には「生きてるだけでまるもうけ」という言葉を胸に、大きな心持ちで過ごしてみてください。
次回に続く