ここで冷静になって、再認識するべきことが一つあります。それは、他人の細かいことが気になってしまうということは、それだけ自身が「広い視野と注意深さ」を持っているということです。
換言すれば、いろいろな情報をキャッチするセンサーがよく働いているということです。
その人物に面識がある・ないに関係なく、気になってしまうというのは、何かしら注意を促していることでもあるのです。いわば、過去の経験を経て研ぎ澄まされた感覚です。
ひょっとしたら、「この人は自分とはウマが合わない人かもしれない」「近づかないほうがいいかもしれない」というようなことを示唆する、警告とも言えるかもしれません。
これは、脳に繋がるさまざまな感覚器官が若い証拠でもあります。生活するうえで大事なセンサーをしっかりと持っているということを自覚して下さい。
そして、さらに傾注すべきことが一つあります。
それは、他人の細かいことが気になることで生じる心の問題の原因と解決法は、すべて自分の中にあるということです。
そもそも、自分の都合に合わせて他人を変えることはできません。また、他人が自ら変わってくれることもありません。自分が変わっていくよりほか、仕方がないのです。
しかし、決して難しく考える必要はありません。要は、どうすれば自分に負担をかけず、過ごしやすくなるかを考え、それを実行するだけのことです。
ここに必要な考え方が「応病与薬」なのです。
他人の細かいことが気になることは、どうしようもないことです。気になっても構わないのです。ただ重要なのは、その原因と対処法を自分で考えることです。我慢してストレスを溜め込まなくて済む、最善の方法を自分で模索すればよいのです。
これができれば、少し時間を要するかもしれませんが、きっと気持ちよく過ごせる生活が待っていることでしょう。
次回に続く。