しかし、ここでこれまでと真逆のことを言いますが、実は落ち込むことは大切なことです。補足すると、落ち込む時間はあなたにとって「有り難い機会」にも成り得るということです。
どういうことかというと、確かに落ち込んだ時は、気分もよくなく、マイナスのことばかりを考えがちになりますが、静かにあなた自身を分析できる時間でもあるのです。
「自分はこんなこともできないのか」「どうして?」というのは自問自答です。このステップは普段なかなか踏めないものです。むしろ多くの方が一番蔑(ないがし)ろにしていることではないでしょうか。そういう意味では、そんな自分に足りないことを、目をつぶらずにきちんと意識しているあなた自身を、もっと褒めてあげて下さい。
日々の生活の中で物事がスムーズに進んでいると、ついつい調子に乗って、礼儀であったり、基本的なことを見落としがちになってしまうものです。しかし、落ち込むことで自問自答の時間が持て、立ち止まって自分を振り返ることができます。
こういう機会がないと人はなかなか自分の足元を確認できないので、いいタイミングだと思って、落ち込んだときは、その冷静な時間を有効利用してあげて下さい。つまり、落ち込む機会が与えられるというのは、自分を振り返る時を伝えてくれる警鐘(けいしょう)だと思ってみて下さい。
こう考えると、落ち込むことは悪いことではないと感じてきませんか? 誰にだって自己嫌悪で落ち込むことがあります。しかし、それはそれで自分と向き合える貴重な時間だと思って、大切にしてみて下さい。
歩いては、止まって休憩し、また歩き出す。歩き続けたら誰もが疲れます。ましてや走り続けては尚更です。時には落ち込むあなたがあっていいのです。静かに休憩して、しばらくしたら、また歩きだせばいいのです。
次回に続く