――現在、交流戦の真っ最中です。昨年は「勝率1位」となり、後半戦に向けて勢いがつく契機となりました。交流戦にはどんな思いで臨んでいるのですか?
小川 去年の交流戦で「勝率1位」となったことは本当に大きなことでした。パ・リーグの強打者を相手に、うちの投手陣たちはまったくひるむことなく、とにかく攻めていく姿勢を持ち続けていました。その姿勢は今年も忘れずに戦っていきたいと思っています。だからこそ、今年は去年のことを思い出しながら、「オレたちは去年のチャンピオンなんだ」という事実を自信に変えて戦ってほしいと思っています。
――実際のところ、昨年の交流戦では絶対的なエースをぶつけてくる、いわゆる「表ローテ」ではなく、「裏ローテ」での戦いが多かったですよね。それは一昨年の「シーズン96敗」ということも理由だったと思います。
小川 おっしゃる通り、一昨年が「96敗」だったことで、昨年は裏ローテとの対戦が多くありました。でも、今年はそうはいかないだろうということは、重々承知しています。相手のエースとの対戦となれば、そう簡単に得点を挙げることは難しい。だからこそ、先ほどの話に戻りますけど、攻撃陣は1点の積み重ね、投手陣は一つのアウトの積み重ねが大切になってきます。とにかく、相手に向かっていく姿勢を忘れずに、攻め続けていきたいと思っています。
――昨年は交流戦に入るときにはセ・リーグ最下位でした。しかし、交流戦で勝率1位となり、後半戦への弾みとなりました。今年も、交流戦前に16連敗が終わり、心機一転、交流戦に臨むこととなりましたね。
小川 そうですね。人によっては、オールスター戦を挟んで、「前半戦」「後半戦」という考えを持つ人もいると思うんですけど、僕の場合は交流戦が一つの区切りだと考えています。普段のペナントレースとは違って、この期間はゲーム差が劇的に変わることがあるので、その波にいかに乗れるかが大事ですから。よく「オールスターまでに5割でいることが大切だ」と言いますけど、それももちろん大切なんですけど、「交流戦でいかに勢いに乗るか」ということを、僕は大切に考えています。ただ、交流戦というのは何が起こるかまったくわからないし、あんまり計算できるものでもないので、「攻める気持ちを忘れずに、当たって砕けろ」という思いで戦い抜くつもりです。
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