小川ヤクルト 躍進へのマネジメント

成功した開幕ダッシュ!
好スタートを切った指揮官の策略

厚みを増した中継ぎ投手陣
キーとなるのは首脳陣の起用法

――なかなか勝ち星がつかない先発投手陣に対して、リリーフ陣は日々、熱投を続けています。現状のリリーフ陣をどのようにご覧になっていますか?

小川 現時点までは本当によく頑張ってくれています。もちろん、頼りになるからといって、このままのペースで起用すれば登板過多で潰れてしまうので、その辺りは注意しなければいけないですけれど。

――開幕前の考えでは、勝利の方程式として「7回・梅野雄吾、8回・近藤一樹、9回・石山泰稚」というプランを持っているとお話しされていましたが、そのプランの手応えは?

小川 「9回・石山」というのはシーズンを通じて不動ですけど、7回、8回については、梅野、近藤だけに固執せずに、その時々の調子を見ながら起用するつもりです。というのも、現状、ハフ、マクガフ、五十嵐(亮太)がいずれも好調で、全員を上手に起用すれば大きな戦力ですから。7回、8回とそれぞれ点差や相手の打順を見ながら、彼らをワンセットで起用できればいいなと思っています。

――スアレス投手が一軍登録されると、ブキャナン、ハフ、マクガフと外国人投手が4人となります。外国人投手の一軍登録枠についてのビジョンは?

小川 難しいですね。中継ぎの2人(ハフ、マクガフ)は、現状では外すわけにはいかないので、そうなると先発の両投手(ブキャナン、スアレス)の起用法を考えなければいけなくなります。スアレスの復帰時点での中継ぎ投手陣の調子を見ながら、改めて考えたいと思います。

――昨年までと比較して、かなり中継ぎ陣の厚みが増した気がします。

小川 そうですね。現状では、去年頑張ってくれた中尾(輝)、風張(蓮)の登板機会がほとんどないし、先ほど名前の出たハフ、マクガフ、五十嵐はいずれも勝ちパターンで起用できる中継ぎ陣ですからね。厚みを増して、質量ともに充実したということは、やはり起用する側の問題だと思いますので、これからは各投手のコンディションをきちんと把握するのが大切になってくると思います。


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プロフィール

小川淳司
小川淳司

千葉県習志野市出身。習志野高校卒業後、中央大学に入学。1981年ドラフト4位でヤクルトに入団。1992年現役を引退すると、球団スカウトやコーチなどを経て、2010年シーズン途中に監督に就任。2014年シーズンまでチームを率いる。退任後は、2017年シーズンまでシニアディレクターを務め、2018年から再び監督となる。

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