ストレスに強く、自己肯定感が高くなる おばけメンタル

変化を味方につける! ちょっとしたことで生きやすくなる、目からウロコのヒント

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はじめに

私のもとに届くお悩みDMの中で、4月と10月に多いテーマがある。
それは、「新しい環境、つらいんですけどシリーズ」である。

これを読んでいる皆さんにも、身に覚えがあるだろう。
4月は新生活や新学期、新年度や新体制などのスタート時期にあたり、ルールや環境が一新されるシーズン。
そして10月は主に社会人の配置換えや異動、あるいは転勤などの人が動くシーズンである。

これらが巻き起こす環境変化は、当事者である私たちに非常に大きな衝撃とダメージを与える。
それはそうである。環境が変われば従うべきルールや用いる手段、普段の心構えなど毎日の生活に影響を及ぼすのだ。
突然、上司に「明日からメキシコに行け」と言われたら衝撃だろう。
まず、メキシコってどこだよ。なぜメキシコだよ。メキシコで私は生きていけるのか? むしろメキシコ側は私を受け入れられるのか? メキシコ大丈夫?
不安でいっぱいである。むしろ不安しかない。不安で眠れないどころか、不安がデカすぎて不安が添い寝してくるレベルである。

このように新しい環境は我々に対して重篤なメンタルダメージを与えることが予想される。
今回は、そんな毎年の環境変化の危機に苛(さいな)まれる皆さんに、生き抜く術を授けたい。

VUCAの時代とダーウィン

唐突に話が大きくなるが、現在の世界を取り巻く環境の変化について触れてみたい。
2024年現在、世界はVUCAと呼ばれる環境に突入した。
皆さんはVUCAをご存じだろうか? 読み方はヴーカ(もしくはブーカ)。
決して地方のゆるキャラではない。

VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、 Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った造語で、世界全体が極めて予測困難な状況に直面しているという21世紀の時代認識を指した言葉である。

地方のゆるキャラどころか、世界規模の危機感を示しているのである。
そしてこのVUCAという、予測不能の変化にさらされている状況は、世界だけでなく個人の人生にも当てはまる。
そんな恐ろしい現況に立ち向かうには、2種類の方法があるとされている。

1つ目は、環境変化を無視すること。
これは簡単なようで難しい。
第一、環境変化が自分の人生を蝕(むしば)んでいるせいで問題が起きているので、それを無視しても良いことなどないだろう。あまりいい手段には思えない。

2つ目をお勧めしたい。
それは、『適応する』こと。シンプルイズベスト。まさにこれこそが私がお伝えしたい、環境変化に対するベストな解決手段だ。

この『適応する』を説明する前に、ダーウィンについて触れておきたい。
説明するまでもなく、チャールズ・ロバート・ダーウィンとは、イギリスの科学者、ないし自然科学博士である。

ダーウィンの遺した偉業のうち最たるものは、「進化論」を提唱したことだ。
これは、生物は古くから「環境適応を目的とした変化」を続けており、変化の結果、生き残ってたくさんの子どもを残す上で有利な形質を持つ個体が、不利な形質を持つ個体を押しのけて世の中の多数派となり、最終的に不利な形質を持つ個体が滅んできた、という理論である。

自分で書いておいてなんだが……分かりにくい。分かりにくすぎる。確定申告や税金の手続きぐらい分かりにくい。そもそも、なんで確定申告あんなに難しいんだ。税金取る時は超簡単に取っていくくせに、返してもらうときはなぜあんなに面倒なんだ。

確定申告は説明できないが、進化論を超簡単に説明してみる。一言で言うなら「世の中で生き残るのは、時代や環境に有利な特長を持つものだけだった」という話である。
もっと噛み砕くために逆に言うと「世の中で生き残れなかったものは時代や環境に対して不利な特長を持つものだった」ということになる。

このダーウィンの進化論は、後世の科学者に大きな影響を与え、複数の科学者が研究を引き継ぎ今に至る。そしてその長く続いた研究の結果、世の中に広く知られるこの金言が生まれた。

『強い種が生き残るのではない。環境に適応し、変化できた者だけが生き残る』。

これこそが、環境変化に対するベストな解決手段、『適応する』である。

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プロフィール

おばけ3号
おばけ3号

作家・コラムニスト&インフルエンサー。1990年生まれ。
X(旧Twitter)にて、フォロワー数10万人超のインフルエンサーとして日常の愉快な話や、人々や社会とのコミュニケーションの関わり合いの手法を発信。聡明かつ鋭い視点と分析力に富んだ意見で、多くの企業・メディア・働く若年男女層の評価を得ている。
その実像は都内のコンサルティング会社に勤務する、現役のコンサルタント。
大手上場企業に対するSNS活用コンサルティングサービスの提供や、SNS活用セミナー登壇など多くの実績を擁する。
2020年より、タウンワークマガジン(リクルート社)へのコラム掲載や、株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーションとのコラボレーション商品の開発販売等を実現し、自著『「お話上手さん」が考えていること 会話ストレスがなくなる10のコツ』をKADOKAWA社より発売。

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