私たち50代がリストラ時代を生き抜くために避けて通れないポイントは、若い世代から「老害」と思われないことです。
「50代はまだ老人じゃない」と思われるかもしれませんが、年齢は関係ありません。老害とは、自分より若い世代に迷惑をかけること。
30代であっても、20代に迷惑をかけていれば「老害」と呼ばれます。
私が代表を務める総合人事コンサルティングのフォー・ノーツ株式会社では、全国のオフィスワーカー400名を対象に「50代社員に関する意識調査」を実施しました。
50代の社員は、今、20〜40代の社員からどのように思われているのか?
20代〜40代の社員たちに意見を聞いてみると、概して50代自身の自己評価より50代社員を評価しており、期待もしてくれていました。
しかし、一方でネガティブな意見も多くあり、次の3点が共通していました。
●何かを変えることに抵抗を示す
●周囲を不愉快にする
●給料に見合う活躍をしていない
会社にとっての老害の基準とは、「いないほうがいい」と思われることです。いないほうがいいと判断されれば、リストラの対象となります。上記の3つは、老害の基準とも一致しています。それぞれ細かく見てみましょう。
新しいことをしようとしているのに、ネガティブな反応をして動こうとしない。ビジネス的には変えなくてはまずいのに、変えたがらない。デジタルツールに対応できない…。50代社員について、若手の管理職からよくこんな悩みを聞きます。
何かを変えることに抵抗を示すのは、50代によく見られる傾向のひとつです。今回のアンケートでも、20〜40代の社員から次のような意見が多く寄せられました。
・デジタルツールの導入を忌避する傾向があり、今後のIT化の弊害になる(20代・女性)
・ひたすら邪魔でしかない。せめて何もしないでほしい(20代・男性)
・保守的。自分で学ぶ気がないように感じる(30代・女性)
・新しいことを覚えることを嫌に感じていそうだが、やってほしい(30代・女性)
・まったく仕事をせずに世間話ばかりして文句ばかり言っている。邪魔。新たな知識、技術を取り入れようとしない。特にデジタルツール(30代・女性)
・ルーチンワークはこなすが、新しいことを行うことはあまりない(40代・男性)
ネガティブな意見の中でも特に目立ったのは、デジタルツールに対応しない・できない50代に対する批判的な意見でした。デジタルツールは今や必須です。
他にも「パソコンなどでわからないことが多い気がするので、自分でも少し勉強してみてはと思うことがある」(40代・女性)、「教えても同じことを何度も訊いてくるので、メモを取るなどしてほしい」(40代・女性)といった声も多く、50代の学ぼうとする姿勢が見られないことに対しても、厳しい目が向けられています。
新しいことを学ぼうとしない、考え方を変えない、昔の経験だけが頼り。こうした頑固な態度はビジネスにおける障害となり、会社からも「いないほうがいい」と判断されます。50代の皆さんは、ぜひ自身の言動を振り返ってみてください。