営業マンは70点主義でいい

毎回『値引き要求』される営業マンの残念な共通点

2019.05.01 公式 営業マンは70点主義でいい 第17回
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もし共感しようとして、こんな状況に直面したら……

そうは言っても、この方法で上手くいかない場合ももちろんあります。
ただ、中には対処方法が存在するパターンもあるので、その対処方法を紹介しておきますね。

どうしても相手をリスペクトできない……、そんなときは?

このステージは『相手と長く付き合えそうか』をお互いが見極める場です。だから、相手に好かれることだけじゃなく、あなた自身が相手を『リスペクトできるか?』がすごく重要になってきます。

もちろん頭ごなしに相手を否定したり、心を閉ざしてしまうのはよくないです。でも、共感しようと努力したうえで、それでも「うーん……この人、無理だわ」ってなってしまったら。そんなときにすべきことは一つ。

それは『去る』です。

無理に付き合っても後でモメるだけです。だからひと通り説明したら、「何かございましたらご連絡ください!」なんて言ってフェードアウトします。

「えーっっ!? そんなんで大丈夫なの?」

そう思いますよね? でも、全然問題なし! むしろ、体育会系の営業ではなく、人の役に立つ営業スタイルで成果を出したいなら、僕たちはそうするべきなんです。恋愛や友達の付き合いだってそうですよね? どっちかが無理に相手に合わせている関係なんて長続きしないですよね。結局最後に「前から思ってたんだけどさぁ……」なんて言ってモメますから(笑)

こういう無理に相手に合わせないやり方でも、ちゃんと成果は出せるっていう根拠については、第7回で詳しく説明していますので、まだ読んでない人はぜひチェックしてみてくださいね。

また、こんな感覚になることはありませんか?

なんだか相手が共感を求めていない気がする……

話をしていて、なんだか唐突に「性能の話」や「価格の話」から聞いてくる人っていますよね? 実はお客さんによっては、第1ステージの共感の手順と次回紹介する第2ステージを逆にして、進行して欲しいタイプも存在します。

簡単に言うと「あなたやあなたの商品がどのくらいスゴそうか?」を感じてから関係構築をしたいっていう人。これは第2ステージの進め方も覚えたら順番を入れ替えればいいだけなので、今の段階ではそういう人もいるんだなってことだけ知っておいてくださいね。

こんな状態になれば第1ステージクリアのサイン

さてさて、ここまで紹介した方法を実践して話を進めてきたらこんな状態になるはず……。

1.あなた自身が相手をリスペクトできて、「この人を手伝いたい!」って心から思えるようになった。
2.相手も「どうなりたいのか?」という、未来の情報を共有してくれた。
3.目の前の問題だけじゃなく、他にも解決すべき問題があることを共有できた。

この3点をクリアできたら第1ステージクリアです!
おそらく、あなたも相手もカラダが温まってきていよいよ具体的な話に入れる環境が整っているはず。

というわけで、次回は第2ステージのポジショニングをする段階に突入です! お楽しみにー。

次回に続く

 

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プロフィール

中尾隼人
中尾隼人

株式会社everride(エバーライド )
代表取締役

営業コーチング/マーケティングコンサルタント。1979年生まれ、宮城県仙台市出身。
2005年、1500人規模の上場企業に入社。
かなりの口ベタ、人見知りで営業未経験だったにもかかわらず、初年度からトップセールスとなる。与えられたマニュアルに疑問を感じ、自身の営業方法を体系化、売り込まずに商品を販売する方法として独自メソッド「人を引き寄せる手順」を確立させ、143日間連続で契約を受注し社内記録を打ち立てる。

現在は、セルフイメージでブロックがかかってしまっている人の潜在能力を引き出すためのコーチングなどをメインに、全国の営業を苦手とするスタッフを抱える企業や団体から研修依頼が殺到している。

著書

誰でも年収1000万円を実現できる〝ひとり起業術〟

誰でも年収1000万円を実現できる〝ひとり起業術〟

中尾隼人 /
アルファポリスビジネスの人気Web連載の書籍化! 「独立・起業に興味はあるけれ...
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